関西大学、経済学の観点からSDGsや環境問題に取り組む良永ゼミ

関西大学の良永ゼミは、「 持続可能な循環型社会を目指す」ことをテーマに、経済学の観点から環境問題を考え活動をしています。

環境問題についてのプレゼンテーションが全国で上位に入賞したり、大学がある大阪府吹田市から環境表彰されたりと、とにかくアクティブな良永ゼミ。

経済学からの環境問題」という点が大変興味があり、今回はゼミの良永教授と学生さんたちに話を伺いました。

プロフィール

関西大学良永ゼミ

関西大学 良永ゼミとは?

経済学の観点から「持続可能な循環型社会を目指す」ことをテーマに活動しているゼミ。 良永康平教授を中心に、学生たちは授業で発表を多く行い、社会に出ても役立つプレゼンテーション力やディベート力を養っています。

吹田市役所と共同で2006年から冊子「エコプレス」や「エコレター」を発行するなど、地域と連携し環境活動に積極的に取り組んでいます。

経済学の観点から考える環境問題

関西大学良永ゼミ

良永ゼミは、2019年に吹田市主催の「プラゴミ動画コンテスト」で3位を獲得。

ミズコム
ミズコム編集部

経済学の観点から環境問題に取り組んでらっしゃいますが、例えば現在はどんな環境問題が挙げられているのでしょうか?

良永教授の写真
良永教授

循環型社会形成推進基本法(※1)でも示されているように、3Rのリデュース・リユース・リサイクル(※2)の順に重要であるにも関わらず、それが徹底できていないことが問題を生み出しています。

まず、リサイクル法が一部であまり機能していないことが問題としてありますね。

例えば小家電のリサイクルについては、回収ボックスを置き、あくまで市民の理解と協力に頼っている状況。

特にスマートフォンは、使っていないものはほとんど机の中などに埋もれてしまっていますよね。

あとは、プラスチックゴミが問題です。多くの人がペットボトルは国内でリサイクルに回っているのだと思っていたのですが、実際には中国に大量に売られているか、国内では燃やして熱回収しているだけだったことが2017年に発覚しました。

※1
循環型社会形成推進基本法とは…2000年に環境省が出したもので、形成すべき循環型社会の姿を明確に提示したり、処理の優先順位を初めて法定化したもの。
参考環境省ページ

※2
3Rとは…Reduce(リデュース)、Reuse(リユース)、Recycle(リサイクル)の3つのRの総称。 Reduce(リデュース)=製品をつくる時に使う資源の量や廃棄物の発生を少なくすること Reuse(リユース)=使用済製品やその部品等を繰り返し使用すること Recycle(リサイクル)=廃棄物等を原材料やエネルギー源として有効利用すること。
参考リデュース・リユース・リサイクル推進協議会

ミズコム
ミズコム編集部

そういった問題を解消するには、どうしたらいいのでしょうか?

良永教授の写真
良永教授

まず一つは、市民への教育が大事になってくるでしょう。改めて、やっぱり子どものころからの環境教育として3Rの重要さを教えるべきですね。

まず、リサイクル法が一部であまり機能していないことが問題としてありますね。

一度使っても、さらに使えるものは再利用していくことが必要であることを、国民に認識してもらうことが大切です。

そして、リサイクル体制を再検討するということ。

循環型社会がなぜ必要なのか、そのためにどうしたらいいのかを議論し、必要な制度を整えていくことが求められます。

ミズコム
ミズコム編集部

お話を聞いて、個人の意識を変えて、きちんとリサイクルしていく行動を身に着けていかないといけないなと感じました。

良永教授の写真
良永教授

さらに教育では、小さい頃から自然の豊かさなどを教えていく必要があります。

都会のなかだけでは人間は生きていけないわけで、地方や海外に頼らざるをえない。

食料自給率でいえば、東京は1%で大阪は2%しかないわけで、それだけ外から持って来ないとならない。

だからこそ​農業が大事だということを、子どもの時から教えないといけません。

でも、どれだけ理解していても人間というのはさぼりたがるし、お金をぶら下げられないと動かない面もあります。

何らかのメカニズムやシステムが必要だと考えます。

関西大学良永ゼミの画像

天王寺MIOにて、市民にプラゴミについてプレゼンテーションをしている良永ゼミの学生たち。地域での啓蒙活動を活発におこなっています。

関西大学のSDGs(エスディージーズ)推進プロジェクトと連携

SDGsの画像  

SDGs(エスディージーズ)とは

「SUSTAINABLE DEVELOPMENT GOALS」の略。持続可能な開発目標のことで、2015年の国連サミットで採択された。

「安全な水とトイレを世界中に」「海の豊かさを守ろう」など17の目標を掲げている。

詳しくは ​外務省のSDGsに関するページ​などでチェックしてみてください。

ミズコム
ミズコム編集部

関西大学図書館とKANDAI for SDGs推進プロジェクトが連携したトークイベントで、「脱プラスチックが海を守る!?」と題してプレゼンテーションをおこなっていますよね。

その内容について教えていただけますでしょうか?

良永ゼミ・吉田さん
良永ゼミ・吉田さん

まず3Rの部分で、「リユースとリサイクルは使い捨てプラスチックには当てはまらない概念なんじゃないか」と考えました。

現在、プラスチックは「サーマルリサイクル」という熱回収がほとんどで、海外ではそれはリサイクル方法として認められていないんです。

リサイクルの前に、まずは「リデュース」でそのもの自体を減らすことが一番大切なんじゃないかという内容の発表を行いました。

ミズコム
ミズコム編集部

「使うプラスチックをまずは減らす」ということですよね。例えば減らせるものとしては、どんなものがあるのでしょうか?

良永ゼミ・吉田さん
良永ゼミ・吉田さん

私たちは、まずは減らしたほうがいいと考えるものを「ペットボトル」と「ビニール袋」、「ビニール傘」の3点に絞りました。

ペットボトルの削減のために給水所を設置したり、ビニール袋については警鐘のイラストを載せる提案をしたり。

イラストというのは、例えばカメにストローが刺さってしまってるといった、ちょっとショッキングな写真を載せるのがいいんじゃないかという考えを提案しました。

ビニール傘についてはデポジット制度を導入して、使い捨てという概念をなくしていこうという発表をしました。

ミズコム
ミズコム編集部

なるほど、ありがとうございます。

良永ゼミでは、学生という立場でプレゼンテーションなどの多くの呼びかけの場がありますよね。

学生視点で環境問題を呼びかける意義について、どう感じてらっしゃいますか?

良永ゼミ・三松さん
良永ゼミ・三松さん

将来の世代を担うのが今学生の私たちであるからこそ、私たち自身が環境問題に対して「こういう風にしたらいいんじゃないか」というアイデアを提案することで、未来をつくることにもつながると考えています。

環境問題に対して個人でできることとは?

関西大学のエコバック

関西大学では、2020年度の新入生にオリジナルエコバックを配布。マイバックの持参は、ビニール袋の削減に大きく役立つ方法です。

ミズコム ミズコム編集部

現状の環境問題に関して個人ができることについて、みなさまのお考えがあればお教えいただきたいです。

良永教授 良永教授

学生さんと私では違うかもしれませんけれど、まずは私から。

私たち個人ができることは、まず「エコに徹する」ということですね。

例えば、ゴミの分別をしっかりすること。「分ければ資源、分けなくてはゴミ」という言葉がありますけど、リサイクルするためにやっぱり分別は大事です。

それから「無駄なものは買わない」こと。これからますます大問題になるのが「アパレルゴミ」ですね。

フリースなどの洋服に使われているプラスチックが、マイクロプラスチックとして海に流れ問題になっています。

消費者が物を買うということは、投票と同じなんです。企業に「環境に配慮した商品を出すと売れるんだ」と気付かせるのは、消費者の購入行動だと思います。

要するに、消費者が企業を変えるということ。企業が重い腰を上げないのなら、消費者から動くことが必要だと感じています。

良永ゼミ・京野さん
良永ゼミ・京野さん

私たち一人ひとりが、例えば私たちゼミが発する発表やテレビなどで報道されてることで、少しでも刺激を受けて環境問題の解決に取り組もうという動きを見せることでしょうか。

そういった積み重ねで世の中は変わっていくと思うので、私たち学生が環境問題に対して研究できることを進めていったりという少しの動きが大切なんじゃないかなって、個人的に思っております。

ウォーターサーバーはプラスチックゴミ削減につながるか

ウォーターサーバーの写真  
ミズコム
ミズコム編集部

ウォーターサーバーを使うことによってペットボトルの削減に役立つかどうか、ご意見や見解などをお聞かせいただけたらありがたいです。

良永教授
良永教授

私は大賛成なんですね。

各自、自宅から飲み物を水筒に入れて持参すると重いですよね。そうなるとペットボトルの便利さにはかなわない。

ですので、水筒を持参したら学校や職場で自由に給水できるようなスポットがあるといいですよね。

ウォーターサーバーを導入して給水所を作ることは、私たちもプラスチックゴミを削減するためには良い取り組みなんじゃないかと思っています。

実際にパリでは、給水所を導入することで大幅にプラスチック削減が実現できたという事例もあります。

日本でも、急に大規模に実施するのは難しくても、例えば関西大学などの集団から広めることで、ペットボトルの削減につながるのではないかなと考えてます。

安いとか便利ってだけでは世の中は動かないので、マイボトルのおしゃれさをアピールするとか、ライフスタイルとして流行していくといいですね。

ミズコム
ミズコム編集部

おしゃれなマイボトルを持つと、楽しくエコ活動できそうですね。

良永教授
良永教授

私が大学の法人側に給水所について紹介したこともあり、関大会館や新関西大学会館南棟にウォーターサーバーを設置して実験をしてるみたいですね。

衛生面とかいろんなことを検討した上で、今後続けていくといいんじゃないかなと思っています。

関西大学のマイボトル・マイカップの推進

関西大学では「学校法人関西大学プラスチックごみゼロ宣言」を表明。取り組みの一環として、ウォーターサーバーを試行的に導入して、ペットボトルなどの使い捨てプラスチックゴミ排出量の削減と循環型社会形成への啓発を推進しています。

この記事のまとめ

  • プラスチックゴミを減らすには、まず「リデュース」が優先。 プラスチックでできたものの使用を減らす活動が有効
  • 個人でできることは、エコに徹すること。ゴミの分別や無駄なものを買わないなど、地道ながらも日々の行動が大事
  • ウォーターサーバーはプラスチックゴミ削減に役立つ可能性。パリでは給水所設置でペットボトルを大幅に削減できた事例あり

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