水と健康の関係性
私たちの生活には欠かせない水。体の中で、水はどんな役割を果たしているのでしょうか。
水分摂取は生命維持に必要不可欠
私たちの体の大部分は水で構成されており、体重で占める割合は子どもの体は約70%、大人の体は約60〜65%が水分でできていると言われています。
そして毎日、汗や呼吸、尿、皮膚などを通して、水分が体内から出て行っています。その量は毎日約2.5L以上!「そんなに?」と驚く人もいるかもしれませんね。
そのため、食べ物や飲み物で体の水分を補わなければいけません。
目安として、1日の食事で約1000mLの水分が摂取できると言われています。その他、食べ物を体内で分解しエネルギーに変える際に、「代謝水」と呼ばれる水分が1日約300mLほど発生するので、残りの約1200mLを飲み物で摂取すると、体の水分のバランスが保てる計算になります。
日頃から、しっかり水分を摂取することを心がけたいですね。
水の体内での働き
水は体内で、
- 栄養・酸素・ホルモンを選ぶ
- 老廃物を排出する
- 体温や血液濃度を調節する
- 電解質を溶かし、バランス位を維持。浸透圧の平衡を維持し、体細胞の形態を保つ
などの大切な役割を担っています。
不足すると血液の循環が悪くなったり、脱水症状を引き起こす可能性もあります。
(出典:公益社団法人 千葉県栄養士会 グリコ 日本コカ・コーラ株式会社)
水の種類と違いについて
スーパーやコンビニに行くと、たくさんの種類の水が並んでいますよね。水道水と何が違うの?と思う人もいるかもしれません。
ここでは、私たちの生活に特に身近な水道水・ミネラルウォーター・天然水を取り上げ、それぞれの違いや細かい分類について説明します。
日本の水道水
日本の水道水は、地表水(河川・ダム湖・湖など)や伏流水、地下水などを水源としています。その水源から取水し、浄水処理施設で濁質分を除去し、塩素などで殺菌消毒した後、配水場に一旦貯めておき、さらに配水管を通って、各家庭の蛇口につながる給水管へと運ばれます。
浄水場から家庭に供給されるまでの距離が長い場合、雑菌を抑え殺菌するため、より多くの塩素を使用します。そのため、塩素の使用量には地域差があります。
ミネラルウォーターと天然水
コンビニやスーパー、自動販売機などで手軽に購入できるミネラルウォーター。日本で現在流通しているミネラルウォーターは約1000銘柄にのぼります。
日本では、農林水産省が制定した「ミネラルウォーター類(容器入り飲用水)の品質表示ガイドライン」により、市販の水を4つに分類しています。
ナチュラルウォーター | ・4種類のなかで最も天然に近い状態の水 ・特定の地下水を供給源とし、沈殿・ろ過・加熱殺菌以外の方法では、物理的にも化学的にも一切処理が行われていない |
---|---|
ミネラルウォーター | ・ナチュラルウォーターのうち、地表中のミネラルが溶けた地下水を原水としているもの ・品質の安定などを目的に、沈殿・ろ過・加熱殺菌以外の浄水処理が行われている (例)ミネラル成分の調整や複数の水源から採取したナチュラルミネラルウォーターのブレンド処理など |
ナチュラルミネラルウォーター | ・ミネラルウォーターと同じく、ミネラルが溶けた地下水が原水 ・ミネラルウォーターと違い、沈殿・ろ過・加熱殺菌以外の浄水処理が行われていない |
ボトルドウォーター | ・飲用に適する水であれば、処理方法などに関する条件は特にない ・純水や蒸留水、水道水なども含まれる |
水道水が主に地表水が原水なのに対して、ミネラルウォーターは地下水が原水なのが特徴です。
この4分類のうち、ナチュラルウォーターとナチュラルミネラルウォーターの2つが「天然水」に当てはまります。
つまり、「ろ過や沈殿、殺菌のみの加工を行う」のが天然水、「殺菌処理のほかに化学処理やミネラルの添加・加工・調整などを行う」のがミネラルウォーター、ということになります。
水道水・天然水・ミネラルウォーターの成分
ここでは、水道水や天然水、ミネラルウォーターに含まれている成分について説明します。
それぞれの水にはどんな成分が含まれているの?
天然水・ミネラルウォーターの成分
名前の通り、カルシウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウムなど、「ミネラル」と総称される成分が含まれています。銘柄によっては、水道水よりミネラルの含有量が低いものもあります。
水道水の成分
水道水には、ナトリウム・カルシウム・マグネシウム・カリウム・ケイ素などが多く含まれています。
また、天然水やミネラルウォーターと違い、浄水処理の過程で塩素が加えられているのが特徴です。
塩素の摂取自体に問題はありませんが、塩素の臭い、いわゆる「カルキ臭」が気になるという人もいます。
また、ダムや池が水源の場合、夏にかけて藻類が異常発生することがあります。この際に、藻類が体内で作り出す臭気物質が原因で、カビのような臭いがすることがあります。こちらも飲料水として問題はありません。
ただ、最近は日本の水道水からも有害物質のPFASが発見されたというニュースもあり、水道水をそのまま飲んで良いか不安な方もいますよね。
さらにきれいな水を飲みたい人には、浄水型ウォーターサーバーを使う手があります。水道水から塩素やカビ臭、PFASなどの不純物を除去した安全なお湯や冷水で、白湯やミルク作りが簡単にできますよ。
ミネラルにはどんな役割があるの?
ミネラルとは、私たちの体を構成する4つの主要な元素(酸素、炭素、水素、窒素)以外のものの総称で、無機質とも呼ばれています。
ミネラルは身体の臓器や組織の反応を円滑に働かせるために必要な成分ですが、身体の中で作ることはできないため、肉や魚、野菜、海藻類などの食物から摂取する必要があります。
市販のミネラルウォーターは一般的に「4大ミネラル」として、カルシウム・ナトリウム・カリウム・マグネシウムをラベルに表記している場合が多いです。
カルシウム | 主に歯や骨をつくるもとになり、筋肉・神経・心臓が正常に機能するように促す |
---|---|
ナトリウム | 細胞内外の水分量を調節し、体内に適切な水分量を保持する |
カリウム | 体外に老廃物やナトリウムを排出する働きがあり、血圧を安定させたり、足のむくみの軽減に役立つ |
マグネシウム | 骨や歯の形成に必要な栄養素。筋肉・神経の機能維持、酵素やビタミンの働きを活性化させる |
(出典元:ミネラル_厚生労働省)
「軟水」と「硬水」って何?
ミネラルウォーターを成分で分類する際、硬度を基準として「軟水」と「硬水」に分けることがあります。
硬度とは、水に含まれているカルシウムやマグネシウムなどの量を数値で表したものです。
カルシウムとマグネシウムの量が少ない水(硬度が低い水)は軟水、多い水(硬度が高い水)は硬水に分類されます。
WHO(世界保健機関)の場合、硬水は硬度の値が120~180mg/L、軟水は硬度の値が0~120mg/Lの水と定めています。日本で採水した天然水はほとんどが軟水です。
水道水にもカルシウムやマグネシウムが含まれているためもちろん硬度があり、地域によってその数値は異なります。一般的には地下水の方が河川水などに比べ、硬度が高くなる傾向がありますが、東京の水道水の硬度は平均で60mg程度です。
水の成分分析について
ここでは、水道水やミネラルウォーターがどのような検査を経て私たちのもとへ届くのか、紹介します。
水道水の検査項目
水道水は国が定めた安全基準に基づき供給するように義務付けられています。水道水の水質については、水道法第4条の規定に基づき、「水質基準に関する省令」で規定する水質基準に適合する必要があります。
厚生労働省令で定められた水道の水質基準項目は51項目。さらに、水質を管理する上で留意すべき項目(水質管理目標設定項目)として27項目、水道水中での検出実態が明らかでなく、必要な情報・知見の収集に努めていくべき項目(要検討項目)として45項目が挙げられています。
①水質基準項目 51項目 |
具体的な基準は省令で規定されており、水道事業者などに遵守・検査義務がある |
---|---|
②水質管理目標設定項目 27項目 |
評価値が暫定であったり、検出レベルは高くないものの、水質管理上留意すべき項目。水質基準に係る検査等に準じた検査を要請 |
③要検討項目 45項目 |
毒性評価が定まらない、浄水中の存在量が不明などの理由で、①・②に分類できない項目。最新の知見に基づき、常に見直しを行う逐次改正方式 |
(出典元:厚生労働省「水道水質基準について」、東京都水道局)
基準値は一定の値以下であれば検出されても問題がないものから、わずかであっても検出されてはいけないものまで、項目ごとに定められています。
このような規定に基づき、水道水は厳しく管理されています。
ミネラルウォーターの検査項目
ミネラルウォーターの場合は、食品衛生法第11条に基づく「食品、添加物等の規格基準」をクリアする必要があります。
製品に対する「成分規格」と、製造の際に使用するものに対する「製造基準」に対応した各検査があり、検査項目の数は、製造過程で殺菌または除菌を行うかどうかなどによって変わります。
殺菌又は除菌を行わないもの | 殺菌又は除菌を行うもの | ||
---|---|---|---|
(容器包装内の二酸化炭素圧力が20℃で98kPa以上) | (容器包装内の二酸化炭素圧力が20℃で98kPa未満) | ||
成分規格 | 一般規格3項目(金属製容器包装の場合+1項目)+個別規格15項目 | 一般規格3項目(金属製容器包装の場合+1項目)+個別規格17項目 | 一般規格3項目(金属製容器包装の場合+1項目)+個別規格40項 |
製造基準 | 一般基準+個別基準2項目 | 一般基準+個別基準5項目 | 一般基準+個別基準2項目 |
※製造基準の「一般基準」:「製造に使用する器具及び容器包装は,適当な方法で洗浄し、かつ殺菌したものでなければならない。ただし、未使用の容器包装であって、かつ殺菌され、又は殺菌効果を有する製造方法で製造され、使用するまでに汚染される恐れのないように取り扱われたものにあっては、この限りでない」
(出典元:株式会社日吉、一般財団法人 日本食品分析センター)
水道水と比べ検査項目が少ないと思う人もいるかもしれませんが、市販水やウォーターサーバーなどは各社独自の検査基準を設けてチェックしているところが多いです。
手軽においしい水を飲むなら?
「水道水はしっかり検査されているのはわかるけど、味や臭いが気になる…」という人もいるかもしれません。毎日よりおいしく水を飲む方法として、以下のような方法があります。
ペットボトルのミネラルウォーター
比較的手に入れやすいおいしい水として挙げられるのが、ペットボトル入りのミネラルウォーター。自動販売機やスーパー、ドラッグストア、コンビニなどで手軽に購入できます。種類も豊富で、海外の硬水も購入できるのが魅力です。
ただ、毎日購入するとなると、それなりに費用がかさんでくるもの。ペットボトルの大きさや重さによっては、持ち運びが不便だと感じる人もいるかもしれません。
また、加温状態で販売されているペットボトルのミネラルウォーターはほとんどありません。そのため、「毎日おいしいお湯を持ち歩きたい」と思っている人には不向きだと言えるでしょう。
浄水器
「自宅で毎日おいしい水を飲みたい」、「料理にも使いたい」という人には、浄水器も取り入れやすいでしょう。水道水をさらにフィルターでろ過し、塩素や不純物などを取り除くことができます。
蛇口に直接取り付けるタイプのものやポット型のものなどは、比較的手軽に安価で購入できます。ただし、カートリッジの寿命が短いのがデメリットと言えます。
また、シンクの下に本体を設置するビルトイン型や、シンクの上に本体を設置して蛇口と本体をホースでつないで使う据え置き型の浄水器は初期費用が高く、ビルトイン型の場合は工事が必要です。
ウォーターサーバー
(出典:フレシャス)
ペットボトルのミネラルウォーターや浄水器と違い、ウォーターサーバーは温水と冷水の両方を使えるのが魅力です。赤ちゃんのミルク作りに最適な温度(70〜75℃)に設定できるサーバーもあるので、子育て家庭にもおすすめです。
ただ、サーバーを置くスペースが必要だったり、ボトルの交換などが面倒だというデメリットもあります。また、毎月の水代や電気代がかかるので、低コストでおいしい水を飲みたいという人には不向きかもしれません。