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「川口みず太郎」を災害用に配備〜川口市上下水道局の取り組み

2021.06.07

埼玉県内で、さいたま市に次ぎ2番目の人口を有する中核市、川口。60万を超える市民に水道水を供給しているのが川口市上下水道局です。

かわいらしいしずく型キャラクター「みず太郎」の名前を冠した災害用備蓄ボトル水「川口みず太郎」を配備したり、広報誌「みずぐるま」を発行したりと、市民に親しまれやすい活動に取り組まれています。今回は、上下水道総務課の丹羽有希(にわゆうき)さんにお話をうかがいました。

記事最上部画像:川口市上下水道局キャラクター みず太郎

 
水と暮らす編集部

川口市の水道水はどのような地形や歴史的要因から生まれたものなのでしょうか?

丹羽さん

本市は、荒川と芝川の沿岸に位置し、地形上地下水が豊富であったため、昔は随所に噴出井がありました。しかし、都心に近く立地条件に恵まれたこともあり、急激な都市化が進むにつれ、天然の水源利用から井戸利用に移行していきました。その後、市勢の進展に伴って井戸の汚染や水不足が深刻化すると、水道の必要性が叫ばれるようになり、昭和25年、厚生省から戦後第1号の事業認可を受けて水道創設事業を開始しました。

川口市上下水道局キャラクター「みず太郎」の名前を冠した災害用備蓄ボトル水を配備

「川口みず太郎」の災害用備蓄ボトル水
川口市マスコットキャラクター「きゅぽらん」と災害用備蓄ボトル水(提供:川口市上下水道局)
水と暮らす編集部

水道水について、災害時の備蓄方法や取り組みがあればお教えいただきたいです。

丹羽さん

災害時の水の備蓄として、指定給水所となる市内の各学校などに災害用備蓄ボトル水「川口みず太郎」の配備を行っているほか、飲料水を迅速かつ安定的に被災者に届けるための応急給水システム(※1)の整備を行っています。加えて、各家庭でも1人1日3Lを目安に、最低3日分の飲料水を備蓄していただくよう周知・啓発を行っています。災害に備えた取り組みとしては、老朽化した水道管や浄配水場などの更新・耐震化を計画的に進めるとともに、水道管網のブロック化(※2)を進め、災害に強い水道を目指しています

※1 指定給水所に容易に組み立て可能な段ボール製貯水槽を配備し、応急給水車により給水を行うシステム。
※2 市内全域に広がる水道管網を5つのブロックに分けることで、災害時に被害が広域化することを防ぎ、迅速な復旧を可能にするもの。

水と暮らす編集部

災害用備蓄ボトル水「川口みず太郎」すてきですね! 開発話をお聞きしたいです。

丹羽さん

東日本大震災の教訓を活かし災害時の備蓄用として、5年間の長期保存が可能なボトル水を平成24年度から製造しています。ボトル水は、災害時に指定給水所となる市内の各学校などに配備しているほか、平成30年度からは、防災意識の向上や各家庭での水の備蓄を促進するため、上下水道局での一般販売も行っています。ちなみに、令和元年度からは環境に配慮したアルミ缶に容器を変更しました。
※ボトル水は、川口市の井戸からくみ上げ、浄水した水道水です。

市民の皆さまに「水」についての理解を深めてもらうために

広報誌「みずぐるま」
広報誌「みずぐるま」 (提供:川口市上下水道局)
水と暮らす編集部

広報誌「みずぐるま」を発行していらっしゃいますが、どのような背景や思いで作っていらっしゃるのでしょうか?

丹羽さん

上下水道局の取り組みや経営状況などを市民の皆さまに広くお知らせするため、年に2回発行(町会を通じて全戸配布)しています。少しでも多くの皆さまに、上下水道事業に対する関心を深めていただきたく、作成の際には、わかりやすく、読みやすい紙面作りに努めています。

手洗いを促進する水太郎
感染症のまん延を防ぐ (提供:川口市上下水道局)
水と暮らす編集部

感染症拡大予防対策として手洗いの重要性が高まりました。上下水道局として意識されていることはありますでしょうか?

丹羽さん

感染症の蔓延を防ぐためにも、安全・安心な水道水をいつでも変わらず市民の皆さまにお届けすることが、何よりも大切なことであるとの思いを、上下水道局職員一同強くしています。そのために、老朽化した施設の更新や災害対策など、各種取り組みを一層推進していきたいと考えています。

水と暮らす編集部

市民の皆さまに伝えたいことはありますか?

丹羽さん

水道管や浄配水場など、水道施設の老朽化の進行が全国的に深刻な問題になっています。当市も例外ではなく、これまで以上に、老朽化した施設の更新・耐震化を計画的に行っていかなくてはなりません。必要な工事を必要な時期に実施できなくなりますと、漏水や断水が発生したり、水質が劣化したりするリスクが高まり、市民の皆さまにご不便をおかけすることとなってしまいますので、皆さまのご理解・ご協力をお願いいたします。

今後も水道事業の基本理念である「安全・安心と真心を いつでもお客様のもとへ」の実現に向け、24時間365日、市民の皆さまに安全・安心な水道水をお届けできるよう、水道事業を運営してまいります。