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世界の海洋汚染・貧困問題の解決を目指すエコなマイボトル「Ocean Bottle(オーシャンボトル)」

2021.06.04

ボトル1本の購入代金が、海に捨てられたペットボトル1,000本分の回収やリサイクルの費用に充てられる「Ocean Bottle」。

この取り組みが高く評価され、「ロンドンビジネスアワード2020」「レッド・ドット・デザイン賞2020」など数々の賞を受賞しています。今回は、Ocean Bottleの担当者、Emilien氏に取り組みや商品の魅力を伺いました。

モルディブ・ティラフシ島で見たごみの山

ーー「Ocean Bottle」開発した経緯を教えてください。

Ocean Bottle社の創業者のひとりWill Pearsonは、起業前は漁船の乗組員として働いていました。仕事で訪れたモルディブ・ティラフシ島で彼が目にしたのは、海を埋め尽くす大量のごみ。リゾート地として有名なモルディブにあるティラフシ島ですが、近隣のリゾートより多くのゴミが流れ着くため「ゴミの島」とも呼ばれる場所になっています。それがリサーチをするきっかけになり、世界全体で2200万キロのプラスチックが海に流れ込んでいることを知りました。

このまま美しい海が汚染されていく様子を見過ごすわけにはいかない。海洋汚染の問題を目の当たりにしたWillは、イギリス帰国後にビジネススクールで出会ったNick DomanとともにOcean Bottle社を設立。ペットボトルの使用量を減らすべく、リサイクルできるエコなマイボトル「Ocean Bottle」を発売しました。

手入れが簡単で日常生活にも取り入れやすい

Ocean Bottleの画像

ーー「Ocean Bottle」の開発でこだわったポイントはありますか

毎日使っていただけるよう、デザインや機能性にもこだわって作りました。ボトルはステンレススチールで、真空断熱構造を採用。保温保冷機能に優れ、BPAフリーとなっています。

また3種類の飲み方ができるようにボトル上部の着脱を可能にしました。キャップを外せば、従来のペットボトルのような細口で。ボトル上部を外せば、タンブラーのような広い飲み口になります。さらに外したボトル上部は、そのままコップとしても利用可能です。

オフィスでコーヒーや紅茶を飲むときには、コップに注いで香りや風味をじっくり味わったり、通学・通勤などの移動時は、キャップを開けて細口から飲んだり。シーンに応じて使い分けることができます。

「Ocean Bottle」は、食洗機に対応しているので、手入れも簡単。高温によって、ボトルが破損したり歪んだりする心配もありません。パッキンが劣化した場合は、パーツを付け替えることも可能です。長く日常的に使える商品を作りたかったので、手入れのしやすさ・使いやすさといった点を重視しました。

「Ocean Bottle」を長く使っていただくことで、自然とペットボトル飲料を購入する機会は減っていくはず。全体のペットボトル使用量が減れば、それに比例して海洋ごみも少なくなりますから。

「Ocean Bottle」はプラスチックごみだけでなく貧困も減らす

貧困に悩む人への貢献にもつながっている

海洋汚染や海洋ごみを減らすためには、ごみの量を減らすことも大切ですが、リサイクルの基盤を整えることも重要です。というのも海洋ごみの約8割近くは、リサイクルを行う設備が整っていない地域から発生しているんです。

そこで当社は、「Ocean Bottle」の売上の一部を「Plastic Bank」に寄付しています。「Plastic Bank」は、プラスチックごみを収集センターに持ち込むことで仮想通貨と交換してるサービス。ユーザーはごみ収集で得た仮想通貨を「Plastic Bank」で換金が可能です。つまり、ごみを積極的に回収することで、生活費や医療費を稼ぐことができるのです。

多くの方に「Ocean Bottle」を購入していただくことで、「Plastic Bank」への寄付額は増えていきます。それを「Plastic Bank」では、施設の増築や仮想通貨との換金費用に充てていく。

「Ocean Bottle」の購入は、普段のペットボトル使用量を減らすだけではなく、プラスチックごみのリサイクルや、貧困に悩む人への貢献にもつながっているのです。

プラスチックごみを収集センターの様子

ちなみに「Ocean Bottle」が一つ購入されるごとに、ペットボトル1,000本分の回収費用をまかなえるだけの金額が「Plastic Bank」へ寄付されます。

プラスチックごみを収集センターでごみを運ぶ様子

ーー最後に今後の展望をお聞かせください。

2025年までに、70億本のペットボトル回収基金を集められるようにしたいですね。実現するためには、日本の企業と代理店契約を結ぶことが重要です。現在は取引先を探している段階です。販売経路を増やすことで、一人でも多くの方に「Ocean Bottle」を使っていただき、我々の取り組みや活動を知ってもらうきっかけになればと思っています。

Ocean Bottle