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天然氷で作った「かき氷」が松本の夏を彩る。「中町氷菓店」おいしさの秘密

2021.06.02

長野県松本市にある「中町氷菓店」は、南アルプス・八ヶ岳が育んだ天然氷と地元食材を活かしたかき氷を販売しているお店です。ただのかき氷と思うなかれ。ふわっふわの氷のおいしさが大きな話題となり、知名度は全国へと広がりつつあります。

この2021年4月からは新店舗「SHINSHU OMIYAGE BASE(シンシュウ オミヤゲ ベース)」内に併設され、ずらりと並んだ信州の銘品とともにかき氷を楽しめるようになりました。

このかき氷はなぜこんなにおいしいのでしょうか? その秘密について、スマイラル・カンパニー株式会社 店舗統括マネージャーの白澤太圭史(しらさわたけし)さんにうかがいました。

トップの画像は中町氷菓店のかき氷。(写真提供:スマイラル・カンパニー株式会社)

中町氷菓店のかき氷
中町氷菓店のかき氷。(写真提供:スマイラル・カンパニー株式会社)
水と暮らす編集部

御社は松本市の観光スポットで、カフェやかき氷店などを営業されています。なぜこの場所でこういったお店を開こうと思ったのでしょうか?

白澤さん

もともと松本の中町通りには、若者向けの店舗やカフェなどがなく、大人向けの比較的静かな場所だったんです。

創業者や私は近隣の出身なので、中町通りにさまざまな年代の方が訪れるようになったら、さらに盛り上がるのではないかと思って。

そこで2015年に「NAKAMACHI CAFÉ」をオープン。次いで、コーヒーのロースターを置いていた場所を「NAKAMACHI CAFÉ STAND」というテイクアウト専門店に変更し、夏場だけ「中町氷菓店」という店名でかき氷を提供するようになりました。

水と暮らす編集部

今では若い年代の方も多く訪れていますよね。

白澤さん

そうですね。現在の中町通りは多くの飲食店でにぎわい、若い観光客も訪れるようになりました。この変化のきっかけとなれていたらうれしいです。

天然氷との出会いから生まれた「中町氷菓店」

八義の天然氷
八義の天然氷。(写真提供:スマイラル・カンパニー株式会社)
水と暮らす編集部

中町氷菓店のかき氷は、とにかく「独特」だとうかがっています。その秘密は何でしょうか?

白澤さん

一番大きな特徴は、八ヶ岳で作られた天然氷を使用していることです。天然氷とは、水質の良い天然水を自然環境の中で凍らせた氷のこと。全国5ヵ所ほどでしか製造されていない貴重なもので、私たちは「蔵元 八義」さんが作った氷を分けていただいています。

天然氷の製造工程は、一言で言うと「過酷」です。冬場になって、八ヶ岳の山あいにある池の水がしっかり凍るようになったら氷作りをスタート。まず池から不純物を徹底的に取り除いて、きれいな氷が張るように整備します。

水が凍るのは1日当たり1cmずつ。これが15cmになるまで凍らせていきます。この約2週間は交代で寝ずの番をしながら、氷に不純物が入らないように掃除して、氷を守り続けるのです。

水と暮らす編集部

もし途中で不純物が入って凍ってしまったらどうするのでしょうか?

白澤さん

最初から作り直しです。もし途中で雨が降ってしまったら、今まで育てた氷を自分で割って作り直さないといけません。つらいですよね……。私たちも冬場は氷作りに参加させていただいているので、その厳しさを体感しています。

1杯1,000円以上の価値がある、究極のかき氷

かき氷を削るのも職人技
かき氷を削るのも職人技。(写真提供:スマイラル・カンパニー株式会社)
水と暮らす編集部

そんな天然氷で作られたかき氷は、どんな味わいになるのでしょうか?

白澤さん

天然氷は非常に硬くて純度が高いので、独自の技術で徹底的に薄く削り、それを重ね合わせて提供しています。食感を言い表すなら「ふわっふわ」。この薄さに耐えられるのは、強度のある天然氷だからなんです。

また中町氷菓店では、この氷に地元の食材を使った特製ソースをかけて召し上がっていただきます。長野県産の「ナガノパープル」というブドウや、国産の「生アールスメロン」などの生の食材を、オーダーをいただいてからつぶしてソースにします。

ボリュームのあるソースをかけても氷がつぶれないのも、天然氷だからこその特徴です。

水と暮らす編集部

1杯1,000円ほどのかき氷。「高いのでは?」という声もあったそうですね。

白澤さん

中町氷菓店がオープンした頃は、地元の方に「1杯1,000円は高いよ!」と言われていたんです。でも私たちはこの味に確信があったので、「まずかったら返金するから、ぜひ食べてみてください」と言っていました。

そうして半信半疑でかき氷を食べた方から「おいしい!」「このかき氷には1,000円以上の価値がある」と、もう何百回も言っていただいたことか。手前味噌ですが、今までのかき氷の概念を覆す「究極のかき氷」を提供しているという自負があります

2020年の夏場には、1日で最高400杯を販売。当日私は氷を削っていたのですが、昼前の11時から削り始めて、一息ついたのが夕方の17時でした。氷を削る際は腕を上げて作業するのですが、上げた腕がなかなか下がりませんでしたね(笑)。

松本から信州を元気に。「SHINSHU OMIYAGE BASE」をオープン

SHINSHU OMIYAGE BASEの外観
SHINSHU OMIYAGE BASEの外観。(写真提供:スマイラル・カンパニー株式会社)
水と暮らす編集部

中町氷菓店はまだオープンしてから2年ほどですが、今後全国に展開される予定はございますか?

白澤さん

当店のかき氷を再現したいという方からお声がけいただき、現在東京の自由が丘や鹿児島市などでFC店を展開しています。また毎年夏には、東京の銀座や虎ノ門などで期間限定のポップアップストアをオープンするなど、長野県外でもかき氷を楽しんでいただいておりますね。

水と暮らす編集部

2021年4月24日に「SHINSHU OMIYAGE BASE」をオープンされたそうですね。ここではどのようなものが購入できるのでしょうか?

白澤さん

「SHINSHU OMIYAGE BASE」は、信州各地から集めた各地の銘品を楽しんでいただけるアンテナショップです。信州には県外には知られていない隠れた銘品や名産品が多くありますので、こうした品々にふれていただき、松本観光をより楽しくするようなお店にしたいと思っています。

店内ではNAKAMACHI CAFE SATANDのオリジナルナッツやコーヒードーナツ、自家焙煎のコーヒーも販売しております。中町氷菓店はこの店内に併設されますので、ぜひ夏場にはかき氷を楽しみながら、アンテナショップで珍しいお土産を見つけていただければうれしいです。

みなさんの「かき氷の常識」を崩すような一品を作っていますので、ぜひ一度松本に遊びに来てくださいね!

水と暮らす編集部

松本の町がさらに盛り上がりそうですね! 本日はありがとうございました。

<INFORMATION>

中町氷菓店(SHINSHU OMIYAGE BASE内)
shinshu-omiyage-base.com(準備中)

住所:長野県松本市中央3-2-13
営業時間:10~17時(木曜定休)
電話:070-3309-0369 

まとめ

中町氷菓店のかき氷。それは八ヶ岳の厳しい自然が育んだ天然氷、繊細な削りの技術、そして生のフルーツや食材からできたソースという3つが絶妙に掛け合わされてできた、究極のかき氷でした。
ここまでかき氷作りにこだわる理由は「この最高の味をみなさんに味わってもらいたいから」だそう。白澤さんの情熱で溶けてしまいそうな繊細なかき氷、ぜひ食べてみてくださいね!