きよさと観光協会が教える、北海道清里町の「水の名所」とは

清里町のきれいな水はどこから生まれ、循環しているのですか？

清里町のシンボル「斜里岳（しゃりだけ）」から生まれています。町全体を見守るようにそびえ立っており、山に降る雨や雪が川となり、町に流れていきます。そのため、住民は自宅の水道から、冷たく新鮮な湧き水を飲むことができるんです。

私は幼少期から清里町に住んでいましたが、大学入学と同時に地元を離れ、そのとき初めて、一般的な水道水はぬるくておいしくないと感じました。清里町の恵まれた水環境を実感することができました。

手軽においしい水を飲めるっていいですね。ふだんの生活だけでなく、農業にも良い影響がありそうですね。

そうですね。ただ、清里町は全国的に見ても雨が少ない地域で、年間降雨量は1,000mlほどなんです。そのため以前までは、農作物がたびたび干ばつ被害に見舞われていましたが、「緑ダム」という農業用のダムと水路が整備されたことによって、豊かな農産物が安定的に採れるようになりました。

主な農産物はじゃがいもや小麦、ビート（てん菜）など。じゃがいもと清里の水をかけ合わせた、『きよさとじゃがいも焼酎』という本格焼酎もありますよ。ふくよかな味わいながらくせがなくすっきりとしていて、水やお湯割りだけでなく、ハイボールにするとふだんとはまた違った味わいを楽しむことができます。

清里町には、水にまつわる名所がたくさんあると聞きました。

はい。まずは清里町の水源の一つでもある「摩周湖」です。約7000年前の大噴火によってできたくぼみに水が溜まったもので、世界有数の透明度を誇ります。水面には空が映し出され、それを取り囲む木々とのコントラストが美しいです。摩周湖の水は地下に浸透して湧き水となり、清里町の大地を潤しています。

摩周湖の近くには、神秘的な青色に目を奪われる「神の子池」があります。透明度が高いからこそ、太陽の光が深い水底まで届き、水底にある白い火山灰に反射して深い青色に見えるんです。摩周湖や神の子池付近には、水草や野鳥、川魚などが生息しています。

自然や動物を身近に感じられる場所なのですね。

斜里川の中流部にある「さくらの滝」では、毎年6～8月に滝を次々とジャンプするサクラマスの姿が見られます。滝の上には条件の良い産卵場があるのですが、ほとんどの魚は上りきることができません。強くて幸運な魚だけがまれに成功していきます。夏に清里町を訪れるなら必見の観光スポットですね。

清里町では、他の地域からの移住者支援も積極的に行っているんですよね。

はい。1週間～1ヶ月の移住体験や、仕事も遊びも楽しめるリゾート・テレワークの支援、優良な空き家・空き地の紹介などを行っています。平成20年から移住体験事業『ちょっと暮らし』を開始し、そのニーズは年々増加しています（現在はコロナウイルス感染症対策のため7月まで受け入れを中止しております）。

実際に移住者の方からはうれしいお声をいただいています。例えばゆったり子育てをするために移住された方は、「冬の公園では雪にダイブしたり、雪だるまをつくったり、そりすべりをしたり。都会ではなかなか経験できないぜいたくな遊びばかりで子どもも喜んでいます」とのこと。

他にも、斜里川に釣りをしに訪れてからというもの、その自然の美しさにひかれて移住を決めた方もいます。一度清里町に住むとあっという間に数十年たっていた、という方もいらっしゃいますね。こうして観光地としてだけでなく、定住する場所としても気に入っていただけてありがたいです。

斜里岳から生まれる清里の水は、当たり前のように住民に快適な生活を届けて、かつ多くの人を魅了するような水の名所も生み出しています。非日常を味わいたくて清里町を訪れたとしても、きっとその心地良さを忘れられず、ずっと住みたくなるのでしょう。

私も清里町のことを調べていくうちに、「住むとしたらどのような手段があるのだろう？」と、つい住宅情報サイトまで閲覧してしまいました（笑）。底知れない魅力のある地域、清里町のことが気になった方は、ぜひサイトなども見てみてくださいね。