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歴史・文化を紡ぐ岐阜の清流の魅力を発信する「ぎふの旅ガイド」

2022.03.11

飛騨高山や白川郷といった、世界的に注目されている観光地をもちながら、清流の国としても名高い岐阜県。
なぜ岐阜県が清流の国と呼ばれるのか、その秘密を観光サイト「ぎふの旅ガイド」を運営する一般社団法人岐阜県観光連盟の横田英俊(よこたひでとし)さんにうかがいました。

トップの画像は、通称「モネの池」とも呼ばれる「名もなき池」で泳ぐ鯉。(写真提供:ぎふの旅ガイド)

長良川の鵜飼
長良川の鵜飼。(写真提供:ぎふの旅ガイド)
水と暮らす編集部

岐阜県が「清流の国」といわれている理由を教えてください。

横田さん

岐阜県は木曽川、長良川、揖斐川(いびがわ)をはじめとする川がとてもきれいで、県の魚でもある鮎が広く生息することから清流の国と呼ばれています。

2015年には、「清流長良川の鮎」が世界農業遺産に認定されました。豊かな自然環境だけでなく、都市部を流れる川の中で鮎が育っているということが評価されています。流域の人々の暮らしのなかでの努力が、きれいな川を保てている要因であり、岐阜県の魅力の一つです。

私も小さいときから長良川の近くに住んでいますが、みんなできれいな川を守っていこうという意識が根付いていると感じています。

水と暮らす編集部

地域全体で清流を守るという意識が、「清流の国」といわれている理由なのかもしれませんね。その清流を感じられるアクティビティはありますか?

横田さん

岐阜県の清流は経済、文化、歴史と密接に関わっています。アクティビティとは少し違うかもしれませんが、5月〜10月にほとんど毎日行われている長良川の「鵜飼」の観覧がおすすめです。

1300年以上の歴史があり、戦国時代の接待に使われていたという鵜飼は、昔ながらの伝統文化を感じられます。鵜匠が巧みに鵜を操り鮎を狩る姿は、観覧船に乗って間近で見るとより楽しめると思います。

水と暮らす編集部

昔から川と密接に関わってきた地域なのですね。

やな漁
やな漁。(写真提供:ぎふの旅ガイド)
横田さん

そうですね。川は岐阜県民にとって特別で、川に育つ鮎も身近な存在です。観光のお客さまに人気なのが「やな」という鮎の漁です。川の流れをせき止めて、木杭や竹で組んだ「やな場」に流れ込む魚を手づかみで捕る漁法で、県内にはたくさんのやな場があります。

お食事どころもあり、鮎のフルコースを楽しめるのも魅力。岐阜の清流を存分に楽しめるアクティビティになっています。

その他にもラフティング、5m以上の滝が200ヵ所以上ある下呂市小坂町の滝を巡る小坂の滝めぐりガイドツアーなど、清流を感じられるアクティビティが豊富ですので、ぜひぎふの旅ガイドで調べてみてほしいと思います。

水の美しさを感じる岐阜の旅

名もなき池
名もなき池。(写真提供:ぎふの旅ガイド)
水と暮らす編集部

ガイドツアーなどもあるのですね。清流を楽しめるおすすめのモデルコースを教えてください。

横田さん

数年前までは無名でしたが、SNSで一気に話題となった「名もなき池」が見られるモデルコース「絶景・自然満喫!ぎふ感動満載めぐり旅」が人気ですね。

「名もなき池」は、透明度の高さが注目されており、フランスの画家・モネの名画「睡蓮」にそっくりだとして通称「モネの池」とも呼ばれています。

切り立った岩の荘厳さと、エメラルドグリーンが美しい水面のコントラストが神秘的な「川浦渓谷(かおれけいこく)」や、推定樹齢400~500年といわれる株杉が50株ほど群生している「21世紀の森公園」など、岐阜の自然の美しさを堪能できるコースになっています。

水と暮らす編集部

本当に自然が美しい土地なのですね。他にも特徴的なコースはありますか?

横田さん

飛騨高山の「古い町並」や岐阜城など、歴史を感じられる風景が残る岐阜は、ドラマやアニメの舞台として選ばれることが多いです。さまざまな作品の舞台をめぐる『【岐阜周遊】ドラマ・アニメの聖地!!』というモデルコースも、各作品のファンの方々に楽しんでいただいています。

付知川
付知川。(写真提供:ぎふの旅ガイド)
横田さん

これはモデルコースではないのですが、個人的におすすめしたいのが「付知(つけち)川」と「板取川」です。付知川は、付知ブルーという言葉があるくらい、独特の青色をしたきれいな川なのです。板取川は、透明度が高く、ボートが宙に浮いているように見えるほど。この2つの川は、岐阜県のなかでも段違いにきれいなので、一度は訪れてほしいスポットですね。

鮎だけじゃない! 清流が生んだ岐阜県グルメ

鮎の塩焼き
鮎の塩焼き。(写真提供:ぎふの旅ガイド)
水と暮らす編集部

ますます岐阜県に行ってみたくなりました。旅に不可欠なグルメについても教えていただけますか?

横田さん

先ほどお話しした鮎はもちろん食べていただきたいのですが、それ以外にも清流に関連するグルメがたくさんあります。

これもまた鮎に関連するものですが、100年以上続く岐阜の銘菓「鮎菓子」は、岐阜にきたら一度は食べていただきたいグルメです。柔らかいカステラ生地に求肥を包み込んだお菓子で、店舗によって味や形が異なりますので、ぜひ食べ比べしてほしいですね。

他には、良質な地下水が豊富な水の都、大垣市の涼しげなお菓子「水まんじゅう」や、県内50ヵ所ほどの酒蔵で作られる地酒など、清流ならではのグルメを味わっていただきたいですね。

鮎菓子
鮎菓子。(写真提供:ぎふの旅ガイド)
水と暮らす編集部

やはり鮎や水に関連するグルメが多いのですね。清流の国岐阜をもっと楽しむために、行くべき場所などはありますか?

横田さん

自然とふれ合いながら学べる「清流長良川あゆパーク」がおすすめです。

施設内で鮎釣りやつかみ取りができたり、間伐材を使ったクラフト体験ができたり、鮎の塩焼きや燻製体験など、ご家族で丸一日楽しめる施設になっています。

他には、先ほどお話しした鵜飼について詳しく歴史や文化を学べる「長良川うかいミュージアム」、世界最大規模の淡水魚に特化した水族館「世界淡水魚園水族館アクア・トトぎふ」など、個性豊かな施設があります。

水と暮らす編集部

かなり特色のある場所が多い印象でした。最後に、岐阜を訪れる方へ伝えたいことはありますか?

横田さん

岐阜県では、豊かな自然や関の刃物、美濃焼、美濃和紙などの伝統産業を生かして、サスティナブル・ツーリズム(持続可能な観光)に力を入れていきたいと思っています。

ぎふの旅ガイドを活用し、たくさんの魅力がある岐阜について調べて、ぜひ観光に来てください。