島根の大自然が育んだ希少な水「金城の華」の“中の人”に聞く

2021.05.27

健康志向の高まりとともに、お水を選ぶ人が増えてきました。毎日体に入るものだから、できれば良いものを飲みたいもの。

スーパーに行けば、数多くのミネラルウォーターが売られています。種類が多すぎて迷ってしまうほどです。

そこで、実際にミネラルウォーターのなかでも「ろ過もしくは加熱殺菌」以外の人工的な手をいっさい加えていない、ナチュラルミネラルウォーター(天然水)を販売している事業者さんに話を直接聞くことにしました。話してくださるのは、「純天然のアルカリイオン水 金城の華(かなぎのはな)」を販売する株式会社ケイ・エフ・ジーの営業部・才木瞳美(さいき ひとみ)さん。

天然水と地元への思いをたっぷり話していただきました。

水と暮らす編集部

まずは「金城の華」の水源について教えていただけますか。

才木さん

弊社の商品「金城の華」は、島根県浜田市金城町という水源から採取した天然水です。もともと島根県は、温泉が60ヵ所以上もあり、その中でも金城町はアルカリ性の温泉で美肌の湯として有名だったのですが、不純物や有害物質がいっさい含まれていない高品質の水源であることが判明し、飲用水としても非加熱のまま使用できることがわかりました。それで、町おこしの一環として「天然のアルカリイオン水をつくろう」という声が上がりました。

金城町はたいへん過疎化していて、人口も減り税収も減少している中で、金城町には何とか地域活性化につなげたいという思いがあったようです。そこで、国内で高品質の天然水を探していた弊社の社長が「良い水があるのだけれど、誰か事業化してくれないか」と金城町に声をかけられ、1996年に弊社・株式会社ケイ・エフ・ジーが創業しました。当時、ミネラルウォーターが進んでいたヨーロッパでは、人工的な処理をいっさい行わない「生の水」が良いとされていたことから、弊社社長は「日本でもミネラルウォーターの時代が必ず来る」と思っていました。もう25年も前の話です。

島根県はどこを掘っても温泉が出てくるような土地柄なのですが、飲用に適している水源はそれほど多くはありません。金城町の隣から湧いた温泉は、pH9.9の高アルカリのため、ぬるぬるとした泉質で飲用には適していませんでした。その点「金城の華」はpH8.2の弱アルカリ性。サラッとしていて、とても飲みやすいのが特徴です。

金城の豊かな自然が生んだ奇跡の天然水

金城の華の工場でボトルが流れている様子
pH8.2の弱アルカリ性の天然水。(写真提供:株式会社ケイ・エフ・ジー)
水と暮らす編集部

天然水でアルカリイオン水というのはめずらしいのですか?

才木さん

アルカリイオン水というものは、一般的にはアルカリイオン整水器に入れて酸性の水とアルカリ性の水に分けて生成されます。天然水を整水器に通して、アルカリイオン水として販売している飲料メーカーも多いようです。

「金城の華」は、採水したときからpH8.2の弱アルカリ性の天然水です。電気分解はいっさいしていません。

整水器で生成したアルカリイオン水は人工的な手を加えると、水の中の成分が酸性側とアルカリ性側に分離されます。不安定な状態になるので、時間がたつとアルカリ度が下がってきます。天然のアルカリイオン水は時間がたってもpH値は変化しません。

水と暮らす編集部

硬水・軟水でいうと、どちらになりますか?

才木さん

硬度が50mg/Lで、たいへん飲みやすい軟水です。

水と暮らす編集部

「硝酸態窒素ゼロ」をうたっていますね。硝酸態窒素とは何でしょう。

才木さん

生活排水や窒素肥料から生成される汚染物質で、特に体の機能が未発達な乳幼児には酸素欠乏症を引き起こす可能性が指摘されているものです。

今、世界中の地下水で硝酸態窒素の検出が問題になっています。ミネラルウォーターも浅い水源や地盤が柔らかい地層からくむと検出されるケースが多いのですが、「金城の華」の水源がある金城町は森林面積84%と自然に恵まれていること、花崗岩(かこうがん)という非常に硬い岩盤の地層によってろ過されているということがあって、硝酸態窒素がいっさい検出されない地下300mから採水した天然水になっています。

おいしい水を届けたい

金城の華の工場の充填機
充填機。(写真提供:株式会社ケイ・エフ・ジー)
水と暮らす編集部

「非加熱」ということも強調されていますね。

才木さん

日本では天然水をうたっているものでも、水源の関係から多くのミネラルウォーターは加熱殺菌をしています。

弊社は加熱殺菌をせず、ろ過のみでボトリングしています。日本で非加熱が可能な天然水は、水源地が限られています。非加熱ですと、ミネラル成分が熱で損なわれることがありません。水本来のおいしさが保たれます。

水と暮らす編集部

水の味の表現というのはたいへん難しいとは思いますが、一言でいうと「金城の華」はどんな味なのでしょうか。

才木さん

試飲会の評価ですと、「口当たりが良くまろやか」というお声をよくいただきます。水道水ですと喉につかえる感じがありますが、このお水はすっと入っていくとご好評をいただいています。

水と暮らす編集部

7年間常温で保存しても大丈夫というお水もあるそうですね。

才木さん

「純天然アルカリ保存水 7年保存」という商品です。「金城の華」とは別の水源から採水しています。こちらの水源の水をボトリングしてから7年後に公的機関で検査を行った結果、成分・味にまったく変化がないということがわかりました。そこでこの水を「純天然アルカリ保存水 7年保存」という商品として販売することにしました。

7年間変化がないということは、徹底した衛生管理のもとで製造を行うことも重要ですが、もともとの水源が高品質でなければ非加熱での長期保存は難しいと思います。採水した水にほんの少しでも不純物や有害物質があれば、7年間保存することはできません。

この商品は官公庁や自治体、企業に納品することが多かったのですが、昨今は防災意識が高まってきていまして、個人のお客さまの需要が増えてきている状況です。

教育を通して地元を応援

島根県浜田市にある金城の華の工場
島根県浜田市にある第2工場。(写真提供:株式会社ケイ・エフ・ジー)
水と暮らす編集部

ケイ・エフ・ジーさんは、地域貢献のために生まれた会社だと先ほどうかがいました。地元の方々との交流や、地域活動などにも取り組まれているのでしょうか。

才木さん

生産工場のある島根県浜田市で、赤ちゃんが生まれたご家庭に弊社の「赤ちゃんの純天然のアルカリイオン水」をお配りしております。この取り組みを始めてから今年で9年になります。おかげさまで、ご好評をいただいております。

教育を通しての地域への貢献にも力を入れています。地元の小学校・中学校には工場見学をしてもらっています。

また、地元の高校とコラボレーションをして、高校の授業の一環として商品のラベルをデザインしてもらったりもしています。

私自身、水源の近くにあった大学に通っていまして、その大学の学部が地域おこしを研究する学部でした。弊社社長が大学で講演を行い、それを聴いたのがきっかけで入社することになったのです。

まとめ

「金城の華」の特徴をまとめると次のようになります。

  • 天然のアルカリイオン水であること
  • 硝酸態窒素がいっさい検出されない
  • 飲みやすい軟水
  • 非加熱なのでミネラル成分が壊れない

豊かな島根の大自然が生んだきれいな水源を、そのままパッケージした高品質の水といえるでしょう。

教育を通じて積極的に地域貢献している企業姿勢にも感銘を受けました。

株式会社ケイ・エフ・ジーの才木瞳美さん、ありがとうございました。

【天然水】純天然のアルカリイオン水 金城の華

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