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おいしいパンに水は欠かせない。食パン専門店本多に聞く水とパンの関係

2021.06.09

生活の感度が高い人は、水にこだわります。毎日飲むものだから、そして私たちの体をつくる源だからでしょう。

水にこだわる人は、パンにもこだわるのではないでしょうか。おいしいパンは気持ちを豊かにしてくれます。

そこで、「熟成純生食パン専門店 本多」のパン職人さんにお話をうかがいました。お話ししてくださるのは同社高砂北浜店(店長)の冨土原諒(ふじはらりょう)さんです。

水と暮らす編集部

熟成純生食パン専門店 本多さんがパン作りに使っているお水はどんなものでしょうか?

冨士原さん

π(パイ)ウォーター」という水を使っています。πウォーターとは、専用の浄水器を通したお水です。他の浄水器と比べても、不純物のろ過がきちんとできる体感があります。

うちのパンは加水率が高いのが特徴です。加水率が高いというのは、パン生地に使う水の量が多いという意味です。水をたくさん使うからこそ、高品質のπウォーターを採用しました。

舌の肥えたお客さまが太鼓判

パン記事を練り込む様子
加水率の高いパンだからこそ水にこだわる。(写真提供:本多)
水と暮らす編集部

水道水を使っていたころとパンの出来栄えは違いますか?

冨士原さん

発酵の進み具合や生地のまとまり感が良くなりました。加水率が高い生地はベトベトしやすいのですが、πウォーターは粉との親和性が高いんです。水がしっかり生地になじみます。

また、少しでも水ににおいが残っているとパンの品質が落ちてしまいます。その点でも、品質が向上したと思います。

水と暮らす編集部

浄水器・整水器には活性炭方式や電気分解方式などいろいろ種類がありますが、その中でもπウォーターを選んだ理由は何でしょう?

冨士原さん

電気を使わずろ過のみの方式なので、電気代がかからず、カートリッジの入れ替えだけで故障が少ないんです。総じてパン作りに向いているお水ではないかと思い、πウォーターを選びました。また、πウォーターは弱アルカリ性です。

水を水道水からπウォーターに切り替えたことで、お客さまの反応が劇的に変わったということはありませんが、舌の肥えたお客さまからは「味が良くなったね」とお声をかけていただいています。

生で食べてもおいしい食パンめざして

焼く前のパンの様子
(写真提供:本多)
水と暮らす編集部

売れ筋のパンを教えてください!

冨士原さん

弊社の主力商品は「雅(みやび)」と「白鷺(しらさぎ)」です。

雅にはマスカルポーネというチーズを練り込んでいるので、乳酸品のコクとうま味が引き出されていて、とても濃厚です。ただ、味はチーズではなく、どちらかというと濃いめの生クリームです。また雅は「湯だね製法」と呼ばれるお湯で小麦粉を練る製法で作っているので、もちっとした食感があります。

対して、白鷺は「中だね製法」という手法を取っています。小麦粉の一部にイーストや水などをこねて中だねを作り、しばらく寝かせた後に残りの材料を加えて生地を作ります。16時間以上かけて冷蔵低温熟成しているので、うま味成分がしっかり味わえます。

水と暮らす編集部

雅と白鷺…どちらの方が人気がありますか?

冨士原さん

雅ですね! 実際に、各店舗でも雅の方が焼いている本数は多いです。

ちなみに、「濃厚ミルク食パン」という商品もありまして、これはいっさい水を使わずに牛乳だけで生地をこねて作った食パンです。本来は水を使いますが、代わりに乳脂肪分4.0%の濃いめの牛乳を使用しているので、口当たりの良い食感を実現しています。

うちは「熟成純生食パン」をうたっているので、基本、すべてのパンを生で食べていただくことを推奨しています。でも、濃厚ミルク食パンはトーストしていただいても軽い口当たりで口溶けが良いです。

他にも、「極ぶどう食パン」、「生チョコ食パン」、「栗食パン」、「特選北海小倉あん食パン」、「特選マロンあん食パン」、「特選安納芋あん食パン」、「特選伊勢茶あん食パン」、「特選生チョコあん食パン」、「特選いちごあん食パン」などの変わり種もあります。

中でも、極ぶどう食パンは人気です。このパンは、他にはないぐらい大量のぶどうが入っています。その量、なんとパンの主材料である小麦粉と同じです!カリフォルニアレーズン、カレンズレーズン、サルタナレーズン、グリーンレーズンの4種類をブレンドしていて、すべてがあわさるとものすごくおいしいです。

純生食パンを伊勢神宮に奉納

パンを製造する様子
(写真提供:本多)
水と暮らす編集部

熟成純生食パン専門店 本多さんは創業何年になりますか?

冨士原さん

姫路に総本店があるのですが、そこが昨年の11月で創業3年になります。まだ比較的若い会社ですが、ありがたいことに13店舗まで広げることができました。これも、日頃ご愛顧いただいているお客さまのおかげです。とても感謝しています。

また、うちでは雅と白鷺、極ぶどう食パンの3つを伊勢神宮に奉納させていただいています。これもありがたいことです。

水と暮らす編集部

今後、さらなる展開など何か予定されていますか?

冨士原さん

直近ですと、5月頭に岡山県に新店舗を出店します。それ以外にも出店予定が何店舗かあり、フランチャイズ・チェーンも今後展開していく予定です。

まとめ

πウォーターという水を使ってパン生地作りをしているという熟成純生食パン専門店 本多さん。普通のパンより加水率が高い分、生地をまとめるのが難しいそうですが、水へのこだわりの成果もあって、ふっくらもちもちの生食パンができあがったそうです。

その結果、多くのお客さまから支持を得、創業3年で13店舗まで拡大しました。今後は日本各地で本多さんの熟成純生食パンが食べられそうですね!この勢いはまだまだ続きそうです。

パンのあれこれを教えてくださった冨土原さん、ありがとうございました。

本多の熟成純生食パン 雅(左)白鷺(右)

雅


1本(2斤) 864円(税込)
北海道産のマスカルポーネを使用。湯だね製法で毎日食べても飽きない熟成純生の食パン。

白鷺
1本(2斤) 1,080円
16時間以上かけて冷蔵低温熟成をし、うまみ成分を出した熟成純生の食パン

Webお取り寄せ(本多公式サイト)