水を味わう

黒部川の扇状地に位置する濱田ファームの田植えへのこだわり

2021.06.29

山や海などの自然に囲まれた富山県黒部市は、黒部川水系のきれいな水に恵まれており、古くから水田農業が盛んに行われてきた土地です。

濱田ファームも黒部川の扇状地に位置する専業農家のひとつであり、地元ではもちろん、全国にファンがいる米農家として知られています。

今回は米作りへの想いや水のこだわりについて、濱田ファームの濱田律子(はまだ りつこ)さんにお話をうかがいました。

トップの画像は田植えの様子。(写真提供:濱田ファーム)

育苗の様子
育苗の様子。(写真提供:濱田ファーム)
水と暮らす編集部

濱田ファームのお米の特徴を教えてください。

濱田さん

私たちは黒部川の扇状地でお米を作っていて、使っている水はすべて黒部川水系です。田んぼで育てる前に稲の苗を育てる育苗という作業があるのですが、その育苗の段階から黒部川水系の水を使っています。そのため、米作りの全ての工程で黒部川水系の水が使われていることが特徴の一つです。

あともう一つ挙げるとすれば、私たちはすごく小さい農家で、夫の濱田智和がほぼ全ての作業を1人で行っているので、彼自身が間違いなく育てた米ということも特徴です。

水と暮らす編集部

黒部川の水を使うことによってお米の味にどんな影響が出るのでしょうか?

濱田さん

今は糖質制限がはやっているのでお米を食べない方もいらっしゃるかもしれませんが、基本的にお米は日本人の主食なので、毎日食べる方が多いと思います。でも、その割にはお米の品種の違いを明確に考えて買ってらっしゃる方は非常に少ないと思うんですね。

私たち生産者は、味の違いを明確に説明するのが非常に難しい食べ物を育てているなと思っています。試食していただくことのできないオンライン上で販売するにあたって、味の違いをどうやってお伝えできるかなと思ったら、お米がおいしいことは前提で、やっぱりイメージによるものが非常に大きいと思うんです。

じゃあどう伝えればいいか考えたときに、どんな人がどんなところでどんな想いで作っているのかを伝えることで、「この米おいしそうだな」「この人が作ってるんだったら間違いないだろうな」と思っていただけるのではと。お米をおいしく感じていただけると思っています。

その一つの要素としてやっぱり黒部川があります。日本全国どこも水がきれいだと思いますが、その中でも黒部川の知名度はインパクトも含めて非常に抜群です。黒部川の水で育った米であることをお客さまに想像していただけることで、お米をおいしそうだなと思っていただいたり、実際に食べておいしいといっていただけるんじゃないかなと思います。

ホームページにはあえてお買い物かごをつけない戦略

水と暮らす編集部

実際にお米を購入されたお客さんからはどんな反響がありますか?

濱田さん

購入前から時間をかけてコミュニケーションを取っているということもあって、「おいしかったです」「また食べたいです」と言ってリピートしていただける方がすごく多いです。

水と暮らす編集部

リピーターが増える理由はご自身で何だと思いますか?

濱田さん

実は私たちのホームページにはお買い物かごをつけていないんです。今はワンクリックで何のコミュニケーションもなく物が簡単に買える時代ですが、あえてわざわざ電話やメールで問い合わせないと買えないような仕組みにしています。その段階でものすごくハードルが高いですよね。でも、それでも買いたいと思っていただくお客さまがコンタクトを取ってくれて、何回かやりとりがあったりするので、お米が届く前からある程度の関係性が築かれていることがリピートしていただく大きな要因の一つなんじゃないかなと思います。

水と暮らす編集部

すごいですね。SNSやネットでの情報発信も精力的にされていますが、こだわっていることは何ですか?

濱田さん

こだわっていることは、できるだけ米作りの裏側を公開することです。お客さまに「米作りにはこういう作業があるんだよ」ということを実感していただいて、まるで富山県黒部市で自分もお米を作っているような感覚になっていただける情報をお届けするようにしています。

私もサラリーマン家庭で育ったので、当初は米作りといえば田植えと稲刈りだけしか知りませんでした。実際は田植えの前の2ヶ月間がすごく忙しいんですが、田植えの前の2ヶ月間がなぜ忙しいのか、一般の方には想像ができないですよね。それに、稲刈りした後どうやってお米になるのかも知りませんでした。そういう田植えと稲刈りだけじゃない日々の地道な作業をお客さまにお伝えするようにしています。

稲刈りの様子
稲刈りの様子。(写真提供:濱田ファーム)

まずはこだわりコシヒカリがおすすめ

取り扱っている商品画像
商品。(写真提供:濱田ファーム)
水と暮らす編集部

濱田ファームのおすすめの商品を教えてください。

濱田さん

うちは「コシヒカリ」と「ミルキークイーン」という二つの品種を作っているのですが、やっぱりまずはコシヒカリですね。コシヒカリは甘みと粘りのバランスが非常にいいお米で、最近はブランド米が出ていますが、どれも「コシヒカリと比べて〇〇」、「コシヒカリに負けない」などコシヒカリを基準にしてアピールしています。なんだかんだコシヒカリが一番支持されたお米なんですよね。なのでまずはコシヒカリを食べていただいて、あとはお好みでもっと粘り強いお米がよければミルキークイーンをおすすめします。

水と暮らす編集部

コシヒカリは3種類用意されていますが、最初に買うならどれがおすすめでしょうか?

濱田さん

栽培方法の違いで3種類に分けていますが、まずはこだわり栽培コシヒカリをおすすめしています。農薬が一般的な栽培方法の8割減、2割程度に抑えたお米です。お値段もお手頃な価格に設定していますし、味は3種類とも大きな違いはないので、まずはこちらをお試しください。

おすすめの食べ方は塩むすびです。特に新米の時期は新米ならではのみずみずしさや甘みを一番感じられますよ。

黒部川
黒部川。(写真提供:濱田ファーム)

まとめ

今回は米作りへの想いや広報活動などさまざまなことを教えていただきましたが、あえてオンラインで簡単に購入できないようにするという販売戦略については特に驚きました。
濱田ファームでは米作りはもちろん、広報活動も精力的に行われており、米作りの裏側や日々の食卓などを紹介している読み物も豊富です。気になる方はぜひ濱田ファームのホームページをご覧ください。

濱田ファーム公式サイト「タンボマスターへの道」

濱田ファーム
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