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自然と触れ合い楽しみながらゴミ拾いできる、GoodNewsの「筑後川リバークリーン活動」

2021.06.09

阿蘇山を水源として九州北部地方の熊本県や大分県、福岡県、佐賀県の4県をまたがり有明海に注ぐ九州最大の河川である筑後川。その流域内人口は約110万人とよばれ、九州北部の社会・経済および文化活動など、人々の生活および文化をその豊かな水の恵みで支えてきました。

また、人口約160万人を擁する九州最大の都市「福岡市」や、その都市圏の水道水の約3分の1は筑後川から導水されています。まさしく、九州北部にとってなくてはならない非常に重要な河川となります。

そんな筑後川でも、近年ではペットボトルや空き缶・ビンなどのゴミが目立つようになりました。

こうした状況下の中でも「エコよりもニコ!」をテーマに筑後川と河川敷のゴミ拾い活動に取り組んでいるのが、任意団体GoodNewsです。ただゴミを拾うのではなく、カヌー体験などの様々な自然体験やBBQなど、イベント要素を取り入れたユニークな清掃活動を行っています。

今回は、代表 である中島重人さんに清掃活動をはじめたきっかけについてお話を伺いました。

goodnewsのロゴデザイン

ーーまず、「筑後川リバークリーン活動」をはじめたきっかけを教えてください。

最初は、大学時代の同級生とみんなで楽しめる活動がしたいと思ったことがきっかけです。どうせやるなら、地元に貢献できる活動をしようとごみ拾いをすることにしました。サークル仲間に声をかけ2008年に任意団体GoodNewsを設立。自分たちが見たいと思えるような良いニュースを発信していきたいとの想いから「GoodNews」と名付けました。

現在は毎月第2土曜日に、筑後川中流である、福岡県久留米市を拠点にリバークリーン活動を行っています。当初は3人でスタートしたゴミ拾い活動ですが、今では年間約1,000名以上の方々にご参加いただくまでになりました。設立からのゴミ拾い参加者は延べ10,000人を超えています。

テーマはエコよりもニコ!笑顔を大切にしたい

カヌー体験をした際の様子

GoodNewsでは、「エコよりもニコ(笑顔)」をテーマに掲げ、自然体験を盛り込んだ清掃活動を実施しています。

夏はカヌー体験をしたり、子どもたちと筑後川の湧き水を辿る自然体験活動をしたり、季節に応じてイベントを開催しています。ゴミを減らすのはもちろんですが、何よりも参加者に「楽しかった」と思ってもらいたいんです。

ーー筑後川には、どういったゴミが多いのでしょうか。

場所や季節によってゴミの種類は異なります。出水が多い梅雨~夏時期は、上流から流れ河川敷に漂着した大型ゴミ(中には冷蔵庫や自転車・バイクなどもある)。夏休み時期は、河川敷で遊んだ花火もあり、BBQをしてコンロやガスボンベ、机などを川に投げ捨てて帰ってしまう人もいます。

また、人目につかない橋の下では産業廃棄物の不法投棄が多い所もあるんです。

産業廃棄物の不法投棄された様子

ーーこれまでの活動で印象に残っていることはありますか?

僕は3児の父ですが、子どもたちを1歳の頃から活動に連れて行っています。子どもたちにはまず、「川で遊ぶことの楽しさ」を知ってほしくカヌーやマルシェなど河川敷を活用したさまざまな「遊び」体験をやっています。ある日息子が、「筑後川が大好き!」と言ってくれたことが印象に残っていますね。

リバークリーン活動の様子

リバークリーン活動をはじめた13年前は、「ゴミ拾いをしても、筑後川はもうきれいにならない」というネガティブな意見も多かったんです。それが最近では、多くの参加者からも「筑後川に行くと気分転換になる」「みんなが川遊びできるようにゴミ拾いしたい」という夢を聞くようになりました。

正直、筑後川でゴミ拾いをしても点でしかなく、社会全体のゴミ課題を解決するにはまだまだ時間がかかります。だからこそ、イベント要素を加えて楽しみながら筑後川をきれいにしていきたい。「昔はきれいで良かった」ではなくて、これから先の未来を語っていけるよう地元の方々と協力し多くの人に愛される川にしていけたら思います。

GoodNews


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