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富士山の天然水が生み出す至高のドイツビール 山梨・富士桜高原麦酒

2021.07.07

山梨県のブルワリー富士桜高原麦酒は、自社で掘り出した富士山の天然水『ふじざくら命水を使って、ジャーマンスタイルのビール年間20種類以上にわたり造っています。
「至高のビールとは、大きいグラスでおかわりをしたくなるような1杯」と語る醸造長の宮下天通(みやした ひろみち)さんから、思わず飲みたくなる醸造のこだわりについて聞きました。

富士桜高原麦酒醸造所併設のレストラン「シルバンズ」
富士桜高原麦酒醸造所併設のレストラン「シルバンズ」。(写真提供:富士観光開発株式会社)
富士桜高原麦酒4種
富士桜高原麦酒4種。(写真提供:富士観光開発株式会社)
水と暮らす編集部

富士桜高原麦酒ではどんなビールを造っているのでしょうか?

宮下さん

弊社ではジャーマンスタイルのビールを造っています。定番は『ヴァイツェン』『ピルス』 『ラオホ』『シュヴァルツヴァイツェン』の4種類。それと季節ごとに造っている限定商品を合わせて、20種類以上を製造しています

それぞれの特徴について説明すると、『ヴァイツェン』は、小麦モルトを50%以上使用し、ホップをあまり使わないフルーティーな味わい、『ピルス』は一般的に市販されているオーソドックスなラガータイプ、『ラオホ』はスモーキー、『シュヴァルツヴァイツェン』はフルーティーな黒ビールです。

季節限定には、例えばドイツの伝統的なビールの祭りであるオクトーバーフェストにちなんだ『メルツェン』や、少しアルコール度数の高い冬向きの『ヴァイツェンボック』などを造っていますよ。

水と暮らす編集部

たくさんの種類が楽しめるんですね! なぜジャーマンスタイルにこだわっているのでしょうか?

仕込み釜
仕込み釜。(写真提供:富士観光開発株式会社)
宮下さん

富士桜高原麦酒を立ち上げるにあたって、ドイツの醸造法を基礎にしたからです。

というのも、1994年から酒税法の改正で小規模ビール製造が可能になりました。ちょうど立ち上げ準備の頃、日本は地ビールブームで、ドイツビールはその主流のひとつだったのです。そんな中で造ることになったので、ドイツビールを目指そう、となりました。ちなみに最近ではクラフトビールと呼ばれることが多くなっています。

ビールの本場・ドイツで醸造を学ぶために、多くの優れた醸造士を輩出し百年以上の歴史を持つ『デーメンス醸造専門学校』へ、私を含めた数名が会社から派遣され、短期留学をしました。

留学前はまったく醸造に携わったことがなかったのですが、初めて降り立ったドイツ・ミュンヘン空港で『ヴァイツェン』を飲んだ時、本当に体が震えるくらいおいしくて。「なんだこれは!」とみんなで目を丸くしたのを今でも覚えています。こんな味を造りたいなと思いましたね。

ワールド・ビア・アワード2020で最高賞受賞に導いたふじざくら命水

富士山
富士山。(写真提供:富士観光開発株式会社)
水と暮らす編集部

もともとビールの製造をしていなかった会社で、どうして始めたのでしょう?

宮下さん

創業の原点は、川がなくて水源がないといわれていた富士山北麓で、創業者が水源を発見することから始まりました。そこで得た富士山の天然水を『ふじざくら命水』と名づけて、最初は別荘地や周辺施設など地元だけで水を供給していたんです。

ところが予想以上においしいと評判だったので、水を生かした事業をしたいなと考えていた矢先に先述の地ビールブームが起こり、ビール造りをすることになったのです。

水と暮らす編集部

『ふじざくら命水』を生かす事業として始まったということですが、どんな水なのでしょうか?

ふじざくら命水
ふじざくら命水。(写真提供:富士観光開発株式会社)
宮下さん

水質硬度が31mg/Lの軟水で、pHは8.03の弱アルカリ性です。溶岩でろ過されているので、酵母が発酵するのにちょうど良いバランスでミネラル成分が含まれているんです。

一般的には、ホップの効いたラガー系には軟水、ヴァイツェンなどエール系には硬水といったように、それぞれの特性に応じて水の硬度を加工することがあります。しかし弊社では『ふじざくら命水』を富士山からのおくりものとして手を加えず、そのままの良さを活かすために、原料の配分など醸造技術を工夫しておいしく造ろうと試行錯誤をしました。

原料の9割を占めている水は、味の決め手となる重要な素材です。たとえ同じ原料や酵母、同じ設備、製法で造ったとしても、水の違いで味が全く変わります。

弊社が国内大会での受賞のみならず、世界大会でも20以上の賞を獲得し味と品質が認められてきたのは、この水があってこそだと思います。

2020年には、ビールの世界的コンペティション『ワールド・ビア・アワード2020』で『ラオホ』、『ゆずヴァイツェン』、『へレスラガー』、『インペリアルピルスナー』が、それぞれのスタイルで最高賞を示す世界一(World’s Best Winner)を受賞しました。

ワールド・ビア・アワード2020世界一受賞4種
ワールド・ビア・アワード2020世界一受賞4種。(写真提供:富士観光開発株式会社)

醸造長が思い描く富士桜高原麦酒の挑戦

ゆずヴァイツェン
ゆずヴァイツェン。(写真提供:富士観光開発株式会社)
水と暮らす編集部

いろんな種類のビールを造られていますが、読者へ特に飲んでもらいたい商品はありますか?

宮下さん

当社のフラッグシップ『ヴァイツェン』がイチオシです。ドイツ留学で最初に飲んだ想い入れのあるタイプなので、とりわけこだわって造った自信作です。私たちは本場で学んできたので、ドイツビールの本当のおいしさを知ってもらえるかと思いますよ。

水と暮らす編集部

どのようにビールを楽しんでもらいたいですか?

宮下さん

日本では”ビールといったら大手”というイメージから、ポピュラーな銘柄を飲む人が多かったように思います。ただビールにはさまざまなスタイルがあるので、いろいろ試しながら自分の好みを探していただきたいなと思います。

水と暮らす編集部

今後の展開を教えてください。

宮下さん

新しいスタイルの製法にチャレンジしていきたいなと思っています。

例えば、酒税法が変わり、麦芽・ホップ・水以外の原料である副原料を総原料の5%まで使えるようになったとき、山梨県富士川町のゆずの皮を加えた期間限定のフルーツビール『ゆずヴァイツェン』を造りました。

この新作が生まれるまでは、“麦芽・ホップ・水・酵母のみを原料とする”と定めているドイツの法律“ビール純粋令”に準じてきたので、製法を変えることに最初抵抗があったんです。

それでも県内産の原料を使って造ってみると、甘い感じではなく、きちんと従来のテイストが感じられつつも、ゆずが香る仕上がりになりました

私たちらしさを守りながらも、新たに挑戦していく。それが醸造技術の向上につながっていくと思います。

最近ではビールのトレンドがアメリカから入ってくるんですが、日本からも新しいスタイルを発信していけたらと思っています。ホップをあまり使わない弊社のフラッグシップ『ヴァイツェン』と、現在流行しているホップをたくさん使った『IPA』を融合させた『ニューイングランドヴァイツェン』を今造っています。この新しいスタイルをPRしていきたいと思います。

まとめ

富士桜高原麦酒では、本場ドイツの醸造法で、富士山の天然水「ふじざくら命水」を使ったさまざまなスタイルの商品を世に出し続けています。特にフラッグシップで定番商品の『ヴァイツェン』は、醸造長・宮下さんの想い入れが強いこだわりの自信作。おかわりしたくなる、名実ともに至高の味を体験してみませんか?

富士桜観光開発

<公式HPはこちら>

富士桜高原麦酒

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