地域に根付く文化や環境資源を守りたい!「村おこしNPO法人ECOFF」
台湾本島の西南部に位置する「澎湖諸島(ポンフー)」。透き通る海と真っ白な砂浜が美しい、台湾を代表する人気ビーチリゾートです。
今回は、活動地域のひとつである「澎湖諸島(ポンフー)」にてビーチクリーンを行う「村おこしNPO法人ECOFF」の活動について代表の宮坂大智さんにお話を伺いました。
地域の活性化や環境保全に取り組む「村おこしNPO法人ECOFF」
ーー村おこしNPO法人ECOFFの活動内容を教えてください。
「村おこしNPO法人ECOFF」は、地域に根付く文化と自然の保護を目的に国内・海外ボランティア活動を行うNPO法人です。「都会の人にも田舎や農業のことをもっと知って欲しい!」という想いから、2011年に設立しました。
学生が中心の参加者が、長期の休みを利用して10~14日間ほど国内外の離島や山村に滞在。その一環として行っているのが、ビーチクリーン活動です。「手つかずの自然を守るためには、まずは今の現状を知ってもらう必要がある」と考え、海岸のごみ拾いをはじめました。
私は5年ほど前に家族とともに台湾へ移住し、「澎湖諸島」で地域活性化のためのボランティア活動に取り組んでいます。
ーー澎湖諸島にはどういったごみが多いのでしょうか。
多いのは、ロープや浮き球といった漁業系のプラスチック廃棄物です。最近は、新型コロナウイルスの影響か、使用済みマスクのごみも目立つようになりました。
澎湖諸島は、台湾本島と中国の間に位置して季節風や黒潮などの影響を受けやすく、大量のごみが漂着します。一説によれば、アジアのなかで最も漂着ごみが多い場所とされているそうです。実際、海岸線には常にごみが漂着し、拾っても拾っても減らない状態が続いてるんです。
ごみによる景観の悪化は、観光にもマイナスな影響を及ぼす可能性があります。さらに澎湖諸島は、ウミガメの産卵地としても有名な地域です。そのため、ウミガメがごみをエサと間違えて飲み込んでしまったり、ロープや網が体に絡まって怪我をしたりする事故も起きています。
澎湖諸島のあるきれいな海を守るだけではなく、そこに住む生き物も守るためにも、この現状を変えていかなくてはいけません。
ーーこれまでの清掃活動で印象に残っていることや驚いたことはありますか?
澎湖諸島近くの無人島の清掃をしたときのことですね。普段は人が足を踏み入れない場所なので、漂着したごみが溜まり、驚くほどの量になっていました。50人近くもの参加者で6時間以上もごみを拾い続けましたが、清掃前と景色が変わらなかったんです。その光景を目の当たりにして、改めてごみを拾うだけではなく、根本的に減らさなければならないと強く感じましたね。
地域活性化と自然環境の美化を両立していきたい
ーー最後に、今後の展望についてお聞かせください。
「ビーチクリーン=ゴミを拾い」というイメージが強いかもしれません。ごみ拾いと聞くと、つまらなそうな印象を持つ人もいると思います。私たちの活動が、環境問題に関心を持つきっかけとなれば嬉しいですね。
これからも「村おこしNPO法人ECOFF」では、自然環境の美化だけでなく地域活性化も両立できるような活動を続けていきます。興味のある方は、ぜひHPをご覧ください。
村おこしNPO法人ECOFF