冷めてもおいしいお弁当の秘密は水!自然派料理・amasora

2021.07.26

兵庫県芦屋市にある料理店「amasora」は、素材のおいしさを十分に引き出し、彩り豊かなお弁当や惣菜、お菓子を提供しています。

お家時間が増えたことをきっかけに、amasoraのお弁当を買い求める方が増加。現在は「週末にamasoraのお弁当を食べるのが楽しみ」「お弁当なのに冷めてもおいしい」と、順調にリピーターが増えているそうです。

そんなamasoraでは、六甲山系の天然水「神戸ウォーター」をふんだんに使用しています。天然水で作られた料理はどのような味になるのでしょうか? 店長の池㞍彩子(いけじり さいこ)さんにうかがいました。

トップの画像は、amasoraのお弁当「童(わらべ)」。(写真提供:amasora)

黄金のロールケーキ
黄金のロールケーキ。(写真提供:amasora)
水と暮らす編集部

池㞍さんはもともと、お菓子の修業をされていたんですよね。ご経歴を教えてください。

池㞍さん

私はもともと神戸の洋菓子店「ダニエル」で8年間修業していました。実はダニエルはフランス料理もやっていて、シェフが料理好きでもあったので、お菓子だけでなく料理の楽しさも教わってきましたね。

その後ダニエルを卒業し、2010年から「甘空」という屋号でフリーランスの道に。スイーツ店の商品開発やプロデュースを始めました。

ご縁があって、ネイチャードーナツの「フロレスタ」さんの商品開発や、自然派ファミリーレストランの商品提案をお手伝いするように。このフロレスタさんでの仕事がきっかけで、料理の素材に興味をもつようになり、さまざまな生産者の方に直接会って、地道に素材集めをするようになりました。その土台が今のamasoraでも生きています。

水と暮らす編集部

どのようなきっかけでamasoraを始めたのですか?

池㞍さん

直接的なきっかけは、芦屋で物件が空いたよ、とたまたま知り合いに教えてもらったことです。amasoraに参加してくれるメンバーが2人いたこと、生まれ育った芦屋という思い入れのある場所でお店を開きたいという思いもあり、2018年にamasoraの店舗を構えました。

修行経験のあるお菓子、フリーランス時代に多く提供していたケータリング。これ以外にお弁当を用意したのは、私自身、お弁当の味が苦手だったからです。

茶色っぽいお弁当や味が混ざっているお弁当。悪くはないのですが、あまり積極的に買いたいとは思えなくて。なので、もし将来自分がお店をやるなら、心から食べたいと思える、おいしくて華やかなお弁当を作りたいとずっと思っていましたね。

神戸ウォーターで炊いたお米に驚き!

水をくむ様子

水と暮らす編集部

池㞍さんが神戸ウォーターを使い始めたのはいつごろからでしょうか?

池㞍さん

10年以上前からずっと使用しています。私はもともと食べるのが好きで、さまざまな料理店を食べ歩くのが趣味なのですが、お気に入りのスペイン料理店さんが神戸ウォーターを使って料理を作っていると聞いて。それでさっそく神戸ウォーターでお米を炊いてみました。

そうしたらびっくりするほどおいしかったんです! それ以来お米を炊くのはもちろん、あらゆるお料理に神戸ウォーターを使用しています。

お弁当は冷めたときの味が大切なのですが、神戸ウォーターで炊いたお米のおいしさは、冷めたときこそ際立つんです。お米の甘みや硬さも含めて、お客さまからも「ごはんがおいしい」と褒めていただいています。

水と暮らす編集部

他の天然水を使用してみたこともあるのですか?

池㞍さん

実はamasoraの店舗を構える際、近くに同じ六甲山系の水がくめる場所があったので、神戸ウォーターとその水を比較するために、同条件下でお米を炊いてみました。しかし味がまったく違ったんです。

よってamasoraでは変わらず神戸ウォーターを使用することにしました。同じ六甲山からのお水なのに、不思議ですよね。

水と暮らす編集部

他に、神戸ウォーターだと味が引き立つ料理はありますか?

池㞍さん

じゃがいもやトウモロコシなど、でんぷん質を含む素材は違いが出やすいと思います。これからの季節はトウモロコシを神戸ウォーターで塩ゆでするとおいしいと思いますよ。

またamasoraでは、細かく切った昆布を神戸ウォーターにつけて、昆布のうま味を抽出した「昆布水」をさまざまな料理に使用します。神戸ウォーターで作った昆布水は、さっぱり引き締まった味になっておいしいですね。

素材は「生産者の熱量」を見て選ぶ

水と暮らす編集部

料理に利用する素材のうち、特にどの素材にこだわっていますか?

池㞍さん

水、塩、油に特にこだわっています。水は神戸ウォーターを使用。塩は、高知にいらっしゃる田野屋塩二郎さんに作っていただいた天日塩を使っています。

オリーブオイルは日本でも探したのですが、結局はイタリアから大量に仕入れて空輸することにしました。水、塩、油は料理でもっともよく使用する素材なので、これらがブレなければ、料理もブレないだろうと考えています。

水と暮らす編集部

どの素材を使用するか、どのような観点で選んでいますか?

池㞍さん

「生産者の方の熱量」を見て選んでいますね。味が良くて体にもいいものを選ぶのは大前提なのですが、自然農やオーガニック栽培だから信頼できるとは思っていなくて。

生産者の方に会いに行って、その方の表情や思い、熱量と自分がフィットしたら、素材を使わせていただくようにしています。人との出会いと一緒で、生産物との相性もあるんですよね。

例えば私は高知と北海道の農家さんのトマトを使っているのですが、そのトマトが採れない時期は極力トマトを使った料理を出さないようにしています。

また自然のものなので、その年によって味や形に変化があるのも当たり前だと思っているので、その変化も含めて長いおつき合いをさせていただいていますね。

カラフルなお弁当を「ハレの日」に楽しむ

お弁当「華(はな)
お弁当「華(はな) 」。(写真提供:amasora)
水と暮らす編集部

amasoraで人気の商品は何でしょうか?

池㞍さん

以前はケータリングが主力商品だったのですが、コロナ禍でパーティーの予約が軒並みキャンセルになり、厳しい時期もありました。そんな中で着々と売り上げを伸ばしたのがお弁当です。

amasoraのお弁当は、どちらかというと家庭的な味つけで、大人用の弁当が2,200円〜、子ども用が1,100円〜と比較的強気の値段設定です。それでもお買い求めいただけるのは、お客さまがこうしたお弁当を求めていたからだと感じます。

お弁当「晴(はれ)」
お弁当「晴(はれ)」。(写真提供:amasora)
池㞍さん

平日は自分用を購入し、週末は家族全員分を予約して取りに来られる方も多いです。外で食べるのが基本のお弁当ですが、週末という「ハレの日」にamasoraのお弁当を食べていただけるのは、とてもうれしいですよね。

水と暮らす編集部

最後に、今後どういったお店作りや料理作りをしていきたいか、教えてください。

池㞍さん

これからも店舗に来てくださるお客さまをずっと大事にして、地域に根付いたお店作りをしていきたいと考えています。口では簡単にいえるのですが、実現する難しさを感じているところです。

今後情勢が落ち着いたら、素材や手作り料理に関する教室を開催したいと思っています。素材は実際に手に取って、香りをかぎ、直接見てこそ感じ取れるものがとても多いです。ぜひ生徒さんに直接お会いして、素材のストーリーを伝えていきたいですね。

まとめ

選びぬいた食材の味と美しさを引き出す水との出会い。厳しいまでの食へのこだわりがありながら、その柔らかな店名には、関わる人皆の幸せを願っている池㞍さんのお人柄が表れているようです。地域に根ざしたおいしくて優しいお店、ぜひ足を運んでみてください。

自然派料理 amasora

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