富士の湧水を活かした「道の駅つる」の地産地消レストラン
山梨県都留市に位置する「道の駅つる」には、地元素材を味わうことができる「お勝手場」というレストランが営業されています。
ここでは富士の湧き水が使われた食材を使用したメニューが多数あり、地元の方にも広く愛されているそうです。
今回は道の駅つる副支配人の野中貴典(のなか たかのり)さんにお話をうかがいました。
トップの画像は、道の駅つるの外観。(出典:道の駅つる公式)
おすそ分け文化から地産地消へ
- 水と暮らす編集部
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道の駅つるが運営する地産地消レストラン「お勝手場」ですが、地産地消にこだわるようになったきっかけを教えてください。
- 野中さん
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地産地消は都留市が決めたテーマということも背景にありますが、もともと盛んだった機織りが衰退していってしまったこともきっかけです。なかなか次の産業が出てこなかったので、今の都留市長が農産物の直売所を作り、今までの畑で作ったものを自分たちで消費するもしくは隣近所に配り歩くという「おすそ分け文化」を所得に変えましょう、という流れになりました。地産地消するためには、野菜を採ったまま生の状態で売るのは限度があるので、レストランで加工して食べてもらうという流れを作りたかったそうです。
- 水と暮らす編集部
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なるほど。お客さんは観光客の方というよりも近所にお住まいの方が多いのでしょうか?
- 野中さん
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現状では半々ですね。土日になれば観光客の方が多いですが、平日はわりとスーパーへ行く感覚で地元の方がいらしてます。
- 水と暮らす編集部
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レストランはいつ頃からあるのでしょうか?
- 野中さん
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道の駅が始まった当時からです。今年の11月で5年目を迎えるので、比較的まだ新しいですね。
都留市独自の水かけ菜に注目
- 水と暮らす編集部
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レストランでは富士山の湧き水を生かした地元食材を厳選利用されているそうですが、富士山の湧水を使うと素材にどのような影響があるのでしょうか?
- 野中さん
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いろいろあるとは思いますが、味に関していうと、湧水ポークという豚肉は富士山の湧き水を飲んで育っているので、脂身がしつこくないことが特徴です。
また、都留市の特産品で富士山の湧水を使って作った水かけ菜という特有の野菜は、都留市や山梨の富士五湖地域で根付いています。
- 水と暮らす編集部
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富士山の湧水によって、水かけ菜はどのように作られているのでしょうか?
- 野中さん
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水かけ菜は冬場の田んぼの裏作で水耕栽培のように育てられています。富士山の湧き水を、ずっと掛け流しにしているんです。寒さの厳しい冬場は気温がマイナス9℃くらいまで下がるので、畑で野菜を作っても凍ってしまいますが、水を掛け流すことによって凍らずに育ちます。水が年間を通して一定の温度を保つことができ、冬場は外気よりも水の方が温かくなります。これができるのは、十日市場・夏狩湧水群と呼ばれる場所の田んぼだけなので、珍しいと思います。
- 水と暮らす編集部
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なるほど。水かけ菜はここでしか買えないんですね。
- 野中さん
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はい。静岡の方でも同じ水かけ菜という野菜があるんですけど、またちょっと品種が違うそうです。品種の検査を行った際に、検査場でも初めて見る品種だといわれました。都留市の水かけ菜は過去に例がない独自の品種だそうです。
- 水と暮らす編集部
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すごいですね。では、この水かけ菜は地元の方に買われることも多いのでしょうか?
- 野中さん
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そうですね。12月の半ば頃から2月頃までが収穫期なので、正月のお雑煮に入れたり、おひたしにしたりするのが文化的に根付いています。
湧水ポークステーキ定食は地元でも人気
- 水と暮らす編集部
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他にもおすすめの商品があれば教えてください。
- 野中さん
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水そのものをペットボトルなどに入れて販売しています。また、「富士湧水ポーク」という都留市のブランド豚を取り扱っており、レストランでもその豚肉を使った生姜焼きやとんかつを提供しています。
- 水と暮らす編集部
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湧水ポークステーキ定食をおすすめされていますが、こちらはレストランが始まった当時からずっと続いているメニューでしょうか?
- 野中さん
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徐々にお客さんのニーズに合わせてメニューの幅を広げていったので、だいたいのメニューは入れ替えました。「湧水ポークステーキ定食」は観光客の方にも人気ですが、地元の方にもけっこう食べていただいてます。
- 水と暮らす編集部
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お客さんからの反響はいかがでしょうか?
- 野中さん
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直接お客さんの声を聞くことはあまりないですが、売り場でも精肉を扱っているので、気に入っていただけた方は食事をした後に買ってくださいます。
- 水と暮らす編集部
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実際に足を運ばないと購入できないのでしょうか?
- 野中さん
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そうですね。基本的にはうちで買っていただくか、もしくはふるさと納税の返礼品にもなっているので、そちらでも入手可能です。
- 水と暮らす編集部
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最後に、今後取り組もうとしていることを教えてください。
- 野中さん
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うちは地産地消をうたっているので、ミネラルウォーターのバリエーションを増やしたり、イベントなどで水を景品として出して周知してもらったりしています。そのような取り組みは今後も続けていけたらいいなと思います。
これから夏に向けて暑くなりますし、都留市には太郎次郎滝という観光地もあるので、そういったところに来てもらったついでにうちで食事や買い物を楽しんでいただけるとうれしいです。
まとめ
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今回は、道の駅つるの成り立ちやおすすめ商品についてうかがいました。おいしそうな料理や食材のお話を聞いているときは、取材中にもかかわらずお腹が空いてしまうほどでした。 ドライブ中などに何気なく立ち寄る道の駅ですが、遠方からでも行ってみたいですね。
近くに行かれた際には、ぜひ道の駅つるに立ち寄ってみてください。
道の駅つる