水道水をそのまま飲むのは危険!?含まれる物質を徹底調査!

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水道水を注いでいる様子

日本の水道水は安心」と言われていますよね。

あまり深く考えずに、そのまま飲んでいる方も多いでしょう。

実際に、日本の水道水の基準は世界的に見ても高いと言えます。

水道水には、家庭に届くまで衛生的な状態を保つために、消毒する成分が入っています。塩素は有名ですが、それ以外の成分は本当に危険じゃないのでしょうか?

この記事では、本当に水道水をそのまま飲んでも大丈夫なのか、水道水に含まれる成分などを解き明かしながら説明していきます。

水道水の危険性は?

まず、お伝えしておきたいのは、水道水の水質は管理されているので、水道水を一生飲み続けても問題はありません

日本の浄水技術は世界のなかでもトップレベルにあるということです。

さらに、水道法第4条の規定に基づいた「51項目の水質基準」や「26項目の水質管理目標設定項目」といった基準が設けられています。

では、一体どこに心配の種は潜んでいるのでしょうか。

給水管はキレイなの?

浄水場から各家庭の蛇口へと届くまでの道のりについて、チェックしてみましょう。はたして、衛生的に安心できる環境が整えられているのでしょうか。

浄水場を出発した水道水は、各エリアの配水池までは送水管を、そして配水池から配水管を通って各家庭のそばへ、最後は給水管を通って各家庭へ送られてきます。

水道水の流れ

(出典:政府広報オンライン 暮らしに役立つ情報)

その給水管は、毎日利用している分には問題がないとされていますが、長期旅行や出張、引っ越しなどでしばらく利用しなかった場合には管の中に滞留水が生じることも。

その場合は水質が変わってしまう可能性があるので、少しの間、水を出しっぱなしにしておくことが推奨されています。

また、給水管はポリ塩化ビニル製のものが主流です。塩化ビニルと言えば環境ホルモンが気になります。これについては旧厚生省が調査を行い、1999年にその結果を発表しています。

概要としては、「現時点において塩化ビニル製の給水管が人体に及ぼす影響について断言はできないけれど、給水管等から成分が溶け出して水道水が今すぐ問題のある状態にはならないと考えられる」とのこと。

つまり、絶対大丈夫であると断言はされていないわけですね。

貯水槽の管理は大丈夫?

マンションの貯水槽  

次に考えたいのは、マンションなどに設置されている貯水槽の衛生問題についてです。

配水管から運ばれてきた水が貯水槽に貯められ、そこから各家庭へと供給されています。

貯水槽を管理するのは建物の所有者と定められていますが、マンションの場合は管理会社が委託を受けて管理しているケースも多いようです。

なお、貯水槽の清掃、点検は年に1回以上行う決まりです。それが行われている限りは水質が保たれていると考えて問題ないでしょう

しかし、貯水槽の設置当初と利用状況が大きく変わってしまった場合は、必ずしも安心とは言い切れなくなります。 貯水槽内での滞留水が増えると、槽内で塩素が消費されてしまい、塩素がない水が溜まっている状況になる可能性があるのです。

そうなると、雑菌が繁殖してしまう場合があります。たとえば、マンションの住民が極端に減少したときなどは、水質の安全性が気にかかるところです。

トリハロメタンって何?

検査している男性  

クロロホルム、ブロモジクロロメタン、ジブロモクロロメタン、ブロモホルム、この4種類の物質を総称して「トリハロメタン」と呼んでいます。

浄水場で塩素消毒をする際に、水中の有機物と化学反応を起こして発生してしまう物質です。

トリハロメタンと呼ばれる物質の中には、国際がん研究機関においてグループ2Bやグループ3に指定されているものがある点は注目すべきです。

グループ2Bというのは「ヒトに対して発がん性がある可能性がある」と定義*されており、グループ3は「ヒトに対する発がん性について分類できない」、つまり、「発がん性について不十分な証拠しかない」という定義となっています。

このように、発がん性を否定できない成分がほんの微量ではありますが、水道水に含まれていることは事実です。

これは世界的な問題であり、WHO(世界保健機関)も水道水に含まれる総トリハロメタンの基準値を定めています。

日本では、WHOの基準値をさらに下回る厳しい基準値を定めており、それよりも低い水準で水道水を供給しているのです。

なお、東京水道局など一部の浄水場では高度浄水化を行っており、その方法で浄水を行う場合にはトリハロメタンが大幅に除去できるようになっています。

*農林水産省「国際がん研究機関(IARC)の概要とIARC発がん性分類について」

いまだに残る鉛製の給水管

近代水道の始まりは1898年ごろのことで、今から120年以上も前のことです。当時採用されたのが、鉛製の給水管でした。

しかしその後、鉛を一定量以上摂取すると人体に影響があることがわかり、配水管の交換が進められてきたのです。

配水管の分岐から宅地内の水道メーターまでが塩化ビニル製やステンレス製のものに替えられてきました。

しかしエリアによって、また水道メーター部分から蛇口までの水道管部分については、まだ交換が済んでいないケースもあるでしょう。

鉛製の水道管の場合、長期間使用していない際などは滞留水に鉛が溶け出してしまう場合があります

もし、しばらく家を空けていたときなどで、長期間水道を使わなかった場合には、バケツ1杯分程度は水を流してから使用するなど工夫をしましょう。

なお、自宅の水道管が鉛製かどうか確認したい場合は、水道料金票などを見て、最寄の水道局支所の給水課または給水管工事事務所、サービスステーションへ連絡をしてみてください。調査してもらうことができます。

水道水に含まれる成分

水道水の画像  

浄水技術が高く、安心して飲めるはずの日本の水道水。しかし、そこに潜む心配ごとがあるということを、ここまでお伝えしてきました。

続いては、水道水に含まれる成分として、気になるものを具体的に説明していきます。

総トリハロメタン

前述したトリハロメタン4種類をすべて合わせた量を「総トリハロメタン」と呼んでいます。

そのなかの一つ、「クロロホルム」は聞いたことがあるでしょうか。よくドラマなどで、クロロホルムをかがされて気絶する……そんなシーンを見たことがある人もいるかもしれません。

あれは少々過剰な表現ではありますが、クロロホルムは以前、麻酔薬として用いられていた物質であり、当然ながら普通は飲用しません。

クロロホルムは揮発性があります。水道水を飲んだときだけでなく、シャワーや塩素消毒されたプールに入ったときなどにも、呼吸によって体内に取り込まれたり、皮膚呼吸によって身体に吸収されたりすることがわかっています。

シャワーなどの後、30分経過後にも肺の中にはシャワー直後の10分の1程のクロロホルムが残っている場合があるです。

日本の水道水において、総トリハロメタンの基準値は水1L中に0.1mg以下と定められています。

東京都朝霞浄水場を例に取ると、2019年度の年間平均値は0.0060mgでした。

このように、基準値を下回る量しか検出されてはいませんが、水道水の中に含まれている事実はあるのです。

クロロホルムも、前述したそれ以外のトリハロメタン類も、「微量であっても特に子どもや高齢者には飲ませたくない」と言えるのではないでしょうか。

鉄サビ

 

近代水道が整備されてからというもの、進化を重ねながらも水道本管には鋳鉄製の管が多く使われてきました。

本管だけではなく、給水管にも古い水道管がそのまま使われているケースがあります。

古いものは、傷んでしまっている可能性も否めません。または管の継手が鉄製で、そこが経年劣化する場合も

そのような管を使っている家やマンションなどでは、管内部の鉄サビが水道水に交じって蛇口から出てくることがあるのです。

このような場合、バケツ1杯分程度の水を出しっぱなしにしておけば事態が解消されることもあります。

しかし、水道管の中まではキレイにできないので、根本的な解決をするならば管の交換が必要でしょう。

鉄サビを含んだ水は、赤茶色っぽく色づいていたり、ちょっと変な臭いや味がしたりします。

鉄サビ同様、鉛も水道管が古い場合には水道水に含まれてしまう可能性があります

そもそも、鉛製の水道管は1995年度末に全面禁止とされました。しかし、水道メーターから宅内の蛇口までをつなぐ部分に関しては個人管理となってしまうため、行政の目が行き届かないのです。

そのため、鉛管が交換されていないままの家も多々あります。2014年3月末時点での数字ではありますが、鉛製の給水管を使用している世帯は20府県で10%を超えていました。

世帯数にすると約347万世帯が調査当時、まだ鉛管を使っていたというのです。

鉛製の給水管を使っている=自宅の水道水に鉛が含まれているとは限りません。

しかし、その可能性があることは否定できないと覚えておいたほうがよさそうです。

塩素

塩素は、浄水の過程において病原微生物を消毒する役割を担っています。

1921年以降に当時の東京市と大阪市で水道水に対する塩素消毒が始まり、それによって乳幼児の死亡率やコレラや赤痢、腸チフスといった伝染病は急激に減りました。

しかし一方で、ヨーロッパでは塩素消毒された屋内スイミングプールと子どもの喘息には相関関係があるとする研究も行われています。

水道水に含まれる残留塩素は人体に影響がないと言われていますが、残留塩素のこと以外にも、塩素消毒によってトリハロメタンが発生することや、塩素耐性を持つ菌を生み出してしまうことなど、塩素消毒がさまざまな問題を抱えていることも事実です。

水道水の用途別危険度チェック

水道水は、家庭内で実にさまざまな用途で使用されています。ちなみに、加湿器には水道水が適しているという説も。

しかし、特に気になるのは、子どもの飲用や赤ちゃんのミルク用などに使う場合に問題がないかどうかです。

続いては、ケースごとに分けて水道水に危険性がないかどうかをチェックしていきます。

通常の飲用

氷水の入ったグラスの写真  

水道水に含まれる物質について改めて考えてみましょう。

例えば極端に、色や臭いが変わってしまっている場合は、そのまま飲むことをためらいますよね。

ある意味、害を受ける前に自らシャットアウトすることができると言えます。

ですが、トリハロメタンや塩素はどうでしょうか。

残留塩素は、5分以上煮沸することによって分解され揮発します。沸騰後もしばらく加熱を続けるとより効果があるでしょう。

トリハロメタンは、10分以上の煮沸によって除去させることができるとされています。

しかし、5分程度の煮沸だと、逆にトリハロメタンが一時的に増加してしまうので注意が必要です。

電気ポットの場合は沸騰操作を繰り返せばトリハロメタンを除去できますが、何回沸騰を繰り返せばよいのか、素人には判断が難しいところではないでしょうか。

赤ちゃんのミルク用

哺乳瓶のミルクを飲んでいる赤ちゃん  

まだまだ抵抗力の弱い赤ちゃんへの影響は、最も気になる点でしょう。

赤ちゃん用ミルクを作るとき、お湯でミルクを溶かし、ビンの上から水を当てるなどして人肌まで冷まして作ることが多いでしょう。

そのとき、沸かし方が足りないとトリハロメタンが残った状態となってしまいます。

もちろん、国が定めた基準、もっと言えば世界的に決められた基準値以下の含有量ではあるはず。しかし万全を期すならば、市販の赤ちゃんの用の水や軟水の天然水、フィルターでトリハロメタンを取り除いた水など、信頼できる水を購入して使うという手もありますね。

調理用

コーンポタージュとロールパン  

子どもに人気のカレーや、そのほかの煮込み料理、お味噌汁など、水を使って調理するレシピはたくさんあります。

そのときも、やはり水道水を使っての調理となると、飲用の場合と同じ問題に直面するわけです。

ただし、煮込む際には水を沸騰させることになるので、ある程度心配は解消されるかもしれません。

お風呂用

湯船の水を飲むということはほぼないでしょうから、お風呂用の水道水が口から入る心配は不要かもしれません。

とはいえ、屋内プールでの塩素と子どもの喘息の関係性が示唆されていたり、シャワールーム内で揮発したトリハロメタンを呼吸および皮膚呼吸により吸収していたりする、という話もあります。

気にすればキリがないですが、塩素の除去やトリハロメタンの無毒化に有効なシャワーヘッドなどもあるので、気になる方は試してみてもよいのではないでしょうか。

 

<ミズコム編集部より>

 

新型コロナウイルス感染症で影響を受けられた皆様に心よりお見舞い申し上げます。

現在、ウォーターサーバー各社は新型コロナウィルス感染症に対する対応を公表されております。

検査工程で製品(ボトル)と人の接触はありますが、作業スタッフのアルコール殺菌及びマスク着用、検温管理を徹底されるなど新型コロナウィルス感染症の対策をされています

また、配達員のマスク着用や、玄関前への出し置きや宅配BOXの利用など対面でのお届けをできる限り少なくする対応もされています。

各メーカーの対応について詳しく見たい方は、「ウォーターサーバー各社の新型コロナウィルス感染症の対策まとめ」をご覧ください。

この記事のまとめ

基本的には、日本の水道水は世界的にみても厳しい基準の品質を保っています

水道水で考えられる危険性としては以下にまとめます。

 
  • 水道管の素材から来る水質汚染……塩ビ給水管の環境ホルモン、鉄製水道管のサビ、鉛製水道管から溶け出す鉛
  • 浄水の過程で入る化学物質……消毒用塩素の残留、塩素消毒によって生じるトリハロメタン
  • 集合住宅増加による問題……貯水槽の管理体制
 

こういった問題があることは事実として認識しておく必要があるでしょう。

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